2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムデザインと自由な書き換えによる高収量コムギの創出
Project/Area Number |
21K19127
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, エグゼクティブリサーチャー (90291913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐分利 亘 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (00598089)
手塚 大介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (80964600)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | コムギ / ゲノム編集 / デンプン蓄積 / AGPase / ADP-グルコース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、タンパク質分子デザインとノックイン型ゲノム編集技術を組み合わせることで、デンプン生合成能を強化した高収量コムギを創出する。コムギのWheat sucrose synthase (WSUS)はスクロースからUDP-グルコースを生成する糖転移酵素であるが、これにアミノ酸置換を土運輸することにより、ADP-グルコース生成型へ改変可能である。ADP-グルコースはデンプン生合成の唯一の基質であるため、変異型WSUSを胚乳細胞で発現させることができれば、コムギ種子へのデンプン蓄積を高め、子実収量の大幅な増加が期待できる。R3年度までにターゲットとなるWSUS3遺伝子を同定し、変異遺伝子をデザインした。R4年度は、糖ヌクレオチド認識モチーフに4つのアミノ酸置換を導入した組換えタンパク質を大腸菌より精製し、in vitroで酵素活性を測定した。活性試験から、アミノ酸置換型WSUSのADP-グルコース生成能を評価した。変異体では、ADP-グルコース合成活性が向上していることが確認された。また胚乳特異的に発現するWSUS3を標的遺伝子に、iPBノックイン法によるゲノム編集を行なった。In/del導入効率に優れるガイドRNAと種々のドナーDNAを組み合わせることで、目的とするアミノ酸変異を持つコムギ系統を1系統作出することに成功した。現在は、当該系統の世代促進して種子を増殖中でる。次年度は、増殖種子を用いて、ゲノム編集系統の形質評価を行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胚乳特異的に発現するWSUS3遺伝子を標的に、iPBノックイン法によりゲノム編集系統の作出を行なった。In/del導入効率に優れるガイドRNAを選定し、これと種々のドナーDNAを組み合わせることで、目的とする4重アミノ酸置換を持つゲノム編集系統を作出することに成功した。今年度の目標である目的ゲノム編集系統の作出に成功したことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
系統の拡充のため、引き続きiPBノックイン法によるゲノム編集系統の作出を継続する。作出にあたっては、市販の相同組換え促進剤等を併用することで、作出効率の向上を図る。また既に作出した系統については、種子増殖の後、形質評価を行う。具体的には、人工気象室で栽培した植物体を用いて、稈長・穂長・茎数などの基礎的な生理データを取得するとともに、種子数・種子重量などの収量データを取得する。また登熟中の胚乳における、ADP-グルコース量およびADPグルコース合成活性を測定する。これらのデータを総合し、多収性の達成について検証する。
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Causes of Carryover |
試薬使用量が少なく、残額が生じた。残額は次年度は試薬の購入費として利用する。
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