2022 Fiscal Year Research-status Report
The study of the mechanism how the exercise affects ovarian functions.
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21K19183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉浦 幸二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20595623)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 卵巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、卵巣外から血中を介して卵巣へ供給されるエクソソームが卵巣機能へ与える影響を解明するものであり、特に骨格筋由来のエクソソームの影響に着目している。本年度は、卵巣における卵巣以外の臓器由来エクソソーム取り込み動態を可視化するため、染色したエクソソームをマウス個体へ投与して各種臓器への取り込みを解析する実験系を確立した。この実験系を用いて、各臓器におけるエクソソーム取り込みを解析したところ、興味深いことに、臓器ごとにエクソソーム取り込み量が顕著に異なることが分かった。特に卵巣においては、少なくとも現在までに調べた性状のエクソソームについては、エクソソームの取り込み量は、他の臓器と比較して少ないことが分かった。これらの結果は臓器ごとにことなるエクソソーム取り込み機構を有ている可能性を示唆している。現在、投与するエクソソームの性状を変化させることで、各種臓器でのエクソソーム取り込み動態に影響が出るのかについて詳細な解析を行っている。また、卵巣へのエクソソーム取り込みが、個体の性周期や加齢にどのような影響を受けるのかについて詳細な解析を行っている。 これらの結果は、他臓器と卵巣間でのエクソソームを介した情報伝達動態についての重要な知見である。さらにこれらの結果は、卵巣をはじめとした各種臓器を特異的な標的としたエクソソームをデザインして投与することにより、各種臓器を人為的に制御できる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、それまで使用していたエクソソームの洗浄カラムが発売中止となり、代替品の検討に時間がかかってしまい、研究の進捗に遅れが生じてしまった。その分の遅れが現在まで残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在までに確立した、マウス個体での各種臓器のエクソソーム取り込み動態を可視化する実験方法を用いて、卵巣を中心に、臓器への取り込みに影響を与える要因(エクソソームの性状、個体の加齢、性周期など)を解析する。卵巣への取り込みが最大になる条件が決まり次第、骨格筋などの由来のエクソソーム投与の影響を解析する。 並行して、ブタ卵巣細胞の初代培養に対する、卵巣以外の臓器由来のエクソソーム添加の影響についても解析する。この結果と、上記の結果を合わせて、エクソソームを介した臓器間のコミュニケーションによって卵巣が受ける影響について考察する。
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Causes of Carryover |
前述したように、これまで使用していたエクソソーム洗浄カラムの発売停止に伴って前年度に実験遅延が生じたため、一部の実験が本年度内に完了できなかったため。次年度引き続き実験を行う。
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Research Products
(2 results)