2022 Fiscal Year Annual Research Report
レオウイルスベクターを用いた新規粘膜ワクチンの開発に関する研究
Project/Area Number |
21K19379
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 剛 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90324847)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | レオウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病原性が低く、安全性が高い10分節二本鎖RNAゲノムを有する哺乳類レオウイルス(MRV)を用いて、世界経済に多大な影響を与えている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および急性胃腸炎を引き起こすノロウイルスに対する粘膜ワクチンの開発を目的としている。 本年度は、SARS-CoV-2のSタンパク質の受容体結合部位(RBD)を発現する組換えMRV(rMRV-RBD)のin vivoモデルを用いた解析を行った。rMRV-RBDをハムスターに経鼻接種し、その後、野生型SARS-CoV-2を攻撃接種し、体重変化、肺でのウイルス量、中和抗体産生能および病理組織について解析を行った。その結果、コントロール群(PBS接種群、野生型MRV接種群)と比較して、rMRV-RBD接種群の感染防御効果については有意な差を認めることができず、接種方法や組換えMRVベクターの改良等を加えることで免疫反応を増強させる必要があると考えられた。MRVベクターの改良については、S1遺伝子にコードされるセルアタッチメントタンパク質sigma1と直接融合させたRBDを発現する組換えウイルスの作製、解析を行っている。 ノロウイルスVP1タンパク質を発現するMRVについては、S1遺伝子内に2A配列を付加したS2 ORF領域を挿入することで両方のMRVタンパク質を発現する組換えS1遺伝子およびS2遺伝子両末端の間にノロウイルスVP1 Pドメインを挿入した遺伝子を有する組換えウイルスを作出した。さらに、sigma1と直接融合させたVP1 Pドメインを発現する組換えウイルスを作製し、in vitroおよびin vivo解析を進めている。
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Research Products
(18 results)