2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19390
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
深田 優子 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 准教授 (40416186)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | てんかん / ADAM22脳症 / ADAM22ファミリー / LGIファミリー |
Outline of Annual Research Achievements |
“てんかん”は、脳神経細胞の過剰な発射に由来する反復性の発作を主徴とする慢性疾患で、根本的な病態の理解と治療法の開発が待たれている。これまで抗てんかん薬は、シナプス伝達や神経細胞の興奮を担うイオンチャネルを主な標的として開発されてきたが、これら薬剤だけでは治療困難な例も多い。研究代表者は、家族性てんかんの原因遺伝子産物である分泌蛋白質LGI1とその受容体であるADAM22が、興奮性シナプス伝達を担うAMPA受容体や細胞興奮性を決定するKvチャネルを制御することを示してきた。本研究では、新たに見出したADAM22バリアント(変異)の性状解析を通じてADAM22脳症の分子病態を解明し、LGI1-ADAM22経路を標的とする新たな“てんかん治療戦略”の提案を目指す。私共は、ごく最近、17ヶ国間のヒト遺伝学者および臨床医との国際共同研究を通じて、ADAM22遺伝子に複合ヘテロ接合型あるいはホモ接合型バリアントを有する小児てんかん性脳症21症例を見出し、その分子病態の詳細を明らかにした。そして、“ADAM22てんかん性脳症”という新たな疾患分類を提案した(van der Knoop*, Maroofian*, Fukata* et al. Brain誌 2022; *, equally contributed)。2022年度は、さらに新たなADAM22バリアントを見出し、上記とは異なる分子病態を明らかにした(未発表)。さらに、ADAM22関連遺伝子(ADAM22ファミリーやLGIファミリー)においても新規のバリアントを複数見出し、それらの分子病態の解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなADAM22バリアントの性状解析に加え、関連遺伝子(ADAM22ファミリーやLGIファミリー)の病的バリアントを複数見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. さらなるADAM22 バリアントの探索と機能解析 2. ADAM22ファミリーやLGIファミリーにおける病的バリアントの性状解析を進める。 3. 見出した分子病態を踏まえて、新たなてんかん治療戦略を考案、検討する。
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Causes of Carryover |
準備済みの研究リソースを用いて効率よく実験をおこなえたことにより、予定していた物品費の執行が減少した。 (使用計画)新たに見出しているてんかん関連タンパク質のバリアント解析に必要となる物品費(イメージングや神経細胞培養等)およびその他(動物飼育費、分析室使用料など)として、計画的に執行する。
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[Presentation] 14-3-3 proteins stabilize LGI1-ADAM22 levels to prevent epilepsy in mice2022
Author(s)
Yokoi N, Fukata Y, Okatsu K, Yamagata A, Liu Y, Sanbo M, Miyazaki Y, Goto T, Hirabayashi M, Fukai S, Fukata M
Organizer
The 45th annual meeting of the Japan Neuroscience Society
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