2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of molecular imaging tools to specifically capture the pathological dynamics of viral infections
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21K19452
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
淵上 剛志 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30432206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヌグエ・トン ミャ・ミャッ 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (90772583)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 分子イメージング / ウイルス / SPECT / 抗体 / Nタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染における病態の詳細な進行のメカニズムの解析には、同一個体の病態変化を非侵襲的にイメージングできるPETやSPECTが有用であると期待される。 これまでに我々は、18F-FDGや68Ga-citrateを用いたSFTSV感染マウスのPETイメージングを行っており、炎症部位の経時変化を画像化できることを見出された (Hayasaka, Oncotaget, 2016., Fuchigami, ACS Omega, 2017)。本研究では、更なるウイルス選択的な分子プローブへの展開を目指し、ウイルス由来タンパク質に特異的な抗体型分子プローブの開発を試みた。 そこで、罹患すれば致死率が10%を超え、日本でも大きな問題となっているSFTSVを標的とした分子プローブ開発を行った。熱帯医学研究所にて構築されたSFTSV感染細胞由来のN, Gn, Gcタンパク質の3つの異なったタンパク質を標的とした抗SFTSV IgG抗体を用い,SFTSV感染あるいは非感染のVero細胞に対する抗体免疫染色を行った。Nタンパク質標的IgG (N-mAb) がSFTSV非感染細胞に比べて感染細胞への顕著な集積を示したが,Gnタンパク質標的IgGでは集積が低く,Gcタンパク質標的IgG ではほぼ集積を示さなかった。 続いて、N-mAbのリシン残基にSCN-Bn-DTPAを導入し、ゲル濾過にて精製し、MALDI-TOF-MSにて分子量の変化を追跡したところ、平均2分子のDTPA導入が確認された。さらに111In Cl3を用いた111In標識合成を行い、ITLCやSDS-PAGEにて合成と精製に成功していることを確認した。また、正常マウスにて生体内分布評価を行ったところ、既存のIgGと極めて類似した動態を示したことから、合成した111In標識体が抗体型分子プローブとして機能しうることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス選択的なイメージング剤として機能しうるN-mAbを見出し、111In標識体の合成やマウスを用いた基礎的なin vivo評価まで進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な感染レベルのSFTSV感染細胞を用いた111In標識抗体の取り込み評価や、感染マウス等を用いた小動物SPECT/CTイメージングにて、111In標識抗体がSFTSV感染症における病態の経時変化を非侵襲的に捉えることが可能であるかの詳細な検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は異動のため、研究環境の再セットアップに遅れが生じ、次年度使用額が生じた。
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