2022 Fiscal Year Research-status Report
Splicing switch therapy for FCMD by utilizing genome editor system
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21K19457
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
池田 真理子 (谷口真理子) 藤田医科大学, 大学病院, 准教授 (00410738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 教授 (40286993)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 福山型筋ジストロフィー / ゲノム編集 / スプライシングスイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
福山型筋ジストロフィー(FCMD)は本邦特有の重度の神経・筋疾患であり治療法がない。ほぼ全患者がフクチン遺伝子3’非本薬領域内にトランスポゾン配列の挿入変異をもつ。FCMDはフクチン遺伝子の最終エクソン内の潜在的スプライシング供与部位と、挿入変異内の潜在的スプライシング受容部位が活性化し、異常タンパク質が生成され発症する。ゲノム編集技術は画期的治療法として着目されるが、遺伝子切断のオフターゲット効果により染色体転座や遺伝子破壊が懸念されin vivoでの臨床応用は課題が多い。申請者らは本技術で臨床応用可能な治療法確立を目指したいと考え、遺伝子を切断しない次世代dCAS9システムやアデノシン/シチジンデアミナーゼを用いたbase editorシステムを駆使し、傷跡を残さないユニークなスプライシングスイッチ療法を確立するための基盤研究と、独自に開発した疾患モデルを用いて効果を検証する研究を計画する。現時点ではdCAS9システムやbase editorを用いたスプライシング異常の治療報告はほとんどない。この方法を応用することで多数のスプライシング異常症への展開の可能性が開かれ、挑戦的研究の意義が大きいと考える。1年目はスプライシングスイッチの可能性を検討しguide RNAやプラスミドの検討を行い、2年間でドナーサイトへのゲノム編集の可否を細胞系で検討した。細胞系では効率はまだ低いが塩基置換が証明された。一方でオフターゲットなどの検討は今後の課題であり、in vivo ではデリバリーの問題などが課題となると考えられる。最終年度ではinvivo の検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集によるスプライシングスイッチはもともとエクソントラップ阻害の応用法であり、その効果によりフクチンタンパク質の正常化が見込めるコンセプトはできている。今回ABEを用いた一塩基編集により塩基置換が可能となれば治療が可能となる。今後は細胞系だけでなくマウスなどの個体での検証を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集によるスプライシングスイッチはもともとエクソントラップ阻害の応用法であり、その効果によりフクチンタンパク質の正常化が見込めるコンセプトはできている。今回ABEを用いた一塩基編集により塩基置換が可能となれば治療が可能となる。今後は細胞系だけでなくマウスなどの個体での検証を行いたい。最終年度は効率の検討やマウス・iPS細胞からの分化誘導系などを用いて生化学的な改善を検討したい。
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Causes of Carryover |
vivo での実験を次年度に回したため3年度目にその費用を使用する予定であるため。また共同研究者ともデリバリーの系について検討中であり、3年目にその費用を使用する予定であるため。
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