2021 Fiscal Year Research-status Report
他家CAR-Tの限界を突破する全く新しい抗体・細胞複合体高度化技術の開発
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21K19529
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米満 吉和 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40315065)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | NK細胞 / CAR-T / 抗体医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性悪性腫瘍に対し、期待されながらも製剤化の困難に直面する他家CAR-T(キメラ遺伝子導入T細胞治療)の限界を突破するために、独自特許技術であるNK細胞製剤GAIA-102(AMEDの支援にて開発中)の機能を更に高度化するための遺伝子導入技術を用いず既存抗体医薬品の全てに適応可能な「抗体・細胞複合体」高度化技術の開発を進めた。 GAIA-102の機能を調べる過程で、この細胞は表現形と性質はNK細胞に類似しているにも関わらず、遺伝子発現プロファイルを含めた性質はCAR-Tに酷似し、更に固形がんに極めて高い殺傷能力を示すことを明らかにした。これはGAIA-102を用いることでCAR-Tの問題点(固形腫瘍への適応拡大)を解決可能であることを意味する。 Prototypeとして、「既知の一本鎖agonistic抗体+既知の細菌由来Fc結合ドメイン」を持つ架橋構造体をin silicoシミュレーションを基に合成し、それが実際に抗体医薬品とGAIA-102に結合可能であることを明らかにした。また、Prototypeが抱えていた課題を克服するため、架橋構造体のNK細胞側に結合する領域を人工抗体に置き換え、候補となるNK細胞膜上レセプター3種に高い結合力を持つ配列を取得した。なお選定したNK細胞膜上レセプター3種はGAIA-102で特に高発現しており、またNK細胞が持つ抗腫瘍活性に重要な役割を果たすことが明らかになっている。取得した人工抗体はそれぞれのレセプターに対して目標としていた以上の結合力を示し、一つのターゲットに対して複数の配列が取得出来ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NK細胞が強発現する各種活性化受容体に対する一本鎖agonistic抗体のデザインは完了した。いずれもKd値は10^-8以下の高親和性である。ベースとなる高活性NK様細胞製剤GAIA-102を用いた抗体アンカリングについてはプロトタイプで確認が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体のIgG領域に結合する人工抗体の取得を進め、NK細胞側に結合する人工抗体と合わせてin vitro/in vivoでの活性確認を進め、臨床応用に向けた開発を継続する。
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