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2021 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of the mechanism of nucleic acid metabolism to establish a a new therapeutic strategy.

Research Project

Project/Area Number 21K19566
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

北村 幸子  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10846140)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三瀬 名丹  自治医科大学, 医学部, 准教授 (00360644)
山ノ井 康二  京都大学, 医学研究科, 助教 (70868075)
滝 真奈  京都大学, 医学研究科, 助教 (20898077)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2023-03-31
Keywords核酸代謝 / ピリミジン塩基 / 5FU / 核酸合成阻害
Outline of Annual Research Achievements

核酸はアデノシン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルの5つを基本骨格として、オキシリボースもしくはデオキシリボースが付加することでRNA, DNAの骨格になる。本研究ではまず、デオキシリボース核酸(dNTP)とリボース核酸(NTP)を区別して、それらがどのような動態となっているか詳細を把握することから、まず開始した。特に、qPCRを使ったdNTPの新しい測定方法を駆使して、dNTP(dATP, dCTP, dTTP, dGTP)の動態測定から開始した。
研究室メンバーが米国より導入した方法で測定を開始したが、測定結果に誤差が多く見られた。その原因を詳細に解明したところ、機器が異なって測定方法が若干異なることが原因であることがわかった。米国やハンガリーで同様の測定を行っている研究グループと何度もwebで会合を開いて原因を調査し、少しずつ改善を重ねた。結果、全ての種類ではないが、最も我々が着目したいピリミジン骨格のもの(dCTP, dTTP)の測定は再現性を持って行うことが可能になった。特にdTTPの産生を阻害する5FUの投与により、dTTPの細胞内濃度が確かに低下することを、卵巣癌細胞株を用いた検討で再現性を持って確認できた。これまで大腸癌細胞株を用いた検討はあったが、卵巣癌細胞株で示したのは我々が初めてである。
再現性のある測定方法の確立に時間を要したが、今後はこれを用い、抗がん剤投与の前後や、低酸素環境の暴露などで、特にピリミジン塩基由来のdNTPがどのように変化するか検証を開始する。また共通機器室のLC-MSも使用し、in vivoモデルを用いて血液中を流れる核酸の濃度も測定する予定である。抗がん剤投与による影響も検証し、可能ならば臨床サンプルでの測定も検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

LC-MSでしか測定できなかったdNTPをqPCR機器を用いて測定する方法の導入に時間を要した。米国で確立した方式を持ち帰り導入したが、結果的には機器が異なることで、誤差が大きくなり正しい測定が困難となった。幸い、米国に加えてハンガリーで同様の測定方法を用いている研究グループとコンタクトをとれたため、細かい機器設定から打ち合わせを行って、測定方法の改善を図ることができた。
この核酸測定に適した機器の挿入と、検出プロトコールの詳細な見直しを丁寧に行った結果、少なくともピリミジン骨格のdNTPの検出に再現性をもって成功することができた。以後は本方式をふんだんに用いて、特にピリミジン塩基の拡散代謝経路を解明していきたい。ピリミジン塩基については、DHODH阻害剤が大きく影響する経路となるが、DHODH阻害剤は既に臨床応用されていることから、ドラッグリポジショニングを念頭においた検討が可能である。

Strategy for Future Research Activity

DHODH阻害剤が紐づく、ピリミジン塩基(dCTP, dTTP)の動態を中心に解明を行う。抗がん剤、特にドキソルビシンの感受性との既報が乳がんで存在する。卵巣癌でも抗癌剤と核酸代謝での関連は十分想定されるため、まず抗癌剤、具体的には白金製剤やドキソルビシン投与によるdCTP, dTTPの動態変化をin vitro, in vivoで検証する。LC-MSも併用して、qPCR法で測定した結果が妥当か常に検証しながら実験を進めていく。
またDHODH阻害剤を用いたプレリミナリーな検討で、mono layerでの培養と、sphere conditionでの培養によって、DHODH阻害剤の感受性が異なる可能性が示されている。具体的には、sphere conditionではDHODH阻害剤による細胞障害効果が高い可能性がある。そこで、sphereにおけるdCTP, dTTP核酸濃度がmono layerにおけるそれと異なるか検証する。またDHODH阻害剤を投与した際の核酸動態についても、二つの条件で異なるか検証する。
臨床サンプルを用いた解析も検討したい。担癌状態での血液中の核酸量、そして再発腫瘍と初発腫瘍における核酸量やその動態については、全く知見がない。これらの動態が一つのマーカーになる可能性もあるので、測定を検討している。ただ臨床サンプルの測定はLC-MSを要するため、限りはどうしてもある。できれば同一患者で、化学療法前後、など複数の点で観察し、化学療法感受性と併せて核酸動態を検証したい。そのデータがあれば、今後の基礎的検討の礎になると考える。

Causes of Carryover

研究室メンバーが米国より導入した方法でdNTPの測定を開始したが、測定結果に誤差が多く見られた。その原因を詳細に解明したところ、機器が異なって測定方法が若干異なることが原因であることがわかった。米国やハンガリーで同様の測定を行っている研究グループと何度もwebで会合を開いて原因を調査し、測定機器の変更が最も効果的であろうと結論づけた。そのため、新たなqPCR測定機器を購入した。
結果、最も我々が着目したいピリミジン骨格のデオキシリボ核酸(dCTP, dTTP)の測定は再現性を持って行うことが可能になった。特にdTTPの産生を阻害する5FUの投与により、dTTPの細胞内濃度が確かに低下することを、卵巣癌細胞株を用いた検討で再現性を持って確認できた。これまで大腸癌細胞株を用いた検討はあったが、卵巣癌細胞株で示したのは我々が初めてである。
再現性のある測定方法の確立に時間を要したが、今後はこれを用い、抗がん剤投与の前後や、低酸素環境の暴露などで、特にピリミジン塩基由来のdNTPがどのように変化するか検証を開始する。また共通機器室のLC-MSも使用し、qPCRでの測定方法と大きな乖離がないか検証する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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