2023 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of a bioactive calcium phosphate implant material
Project/Area Number |
21K19586
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱井 瞭 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824004)
塩飽 由香利 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80736190)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | インプラント / バイオマテリアル / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
骨の欠損を修復する材料として骨アパタイト結晶の組成に類似し,生体親和性に優れるハイドロキシアパタイト(HA)をはじめとしたいくつかのリン酸カルシウム材料が臨床応用 されている.しかしながら,これらのリン酸カルシウム材料がどのような作用機序で骨組織を再生し,骨伝導を発現するかは十分に解明されていない.リン酸カルシウム材料のうちリン酸三カルシウム(β-TCP)やリン酸八カルシウム(OCP)は,生体吸収性を示す材料として知られ,骨の再生には材料の吸収に至る機序および骨再生へ転換するプロセスの解明が求められている.本研究では,血清に含まれる骨芽細胞活性化因子が特異吸着することを報告したOCPの結晶材料を由来とする溶解物の生成および骨組織再生におけるその影響を調べ,骨補填材としての高機能化に資する情報を得ることを目的とする.そのため,2023年度は2022年度に比較検討したいくつかの血清由来タンパク質に関し,異なる無機イオン濃度環境とタンパク質の水溶液中における存在状態の関連性を円二色性(Circular Dichroism: CD)により評価を行った.CDスペクトルの解析から,OCPの存在により血清タンパク質がその表面に吸着することで平均残基モル楕円率 (mean residue ellipticity)が影響を受けることがわかった.次年度から血清タンパク質の吸着と細胞応答性を検討し,材料の溶解性と細胞分化の関連性を検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水溶液中のタンパク質存在状態の測定を実施するために旋光度評価に加え円二色性の評価を追加して検討した.そのため血清タンパク質との材料の相互作用の解析の確立に若干の時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に測定した血清タンパク質の吸着親和性,溶液中のCDスペクトルの情報に基づき,2024年度は,血清由来タンパク質を選択してリン酸カルシウム材料との相互作用および細胞応答性を細胞分化の観点から評価する.以上の検討から,血清由来タンパク質の親和性に関連して活性化を期待するリン酸カルシウム骨補填材の設計指針の確立に取り組む.
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Causes of Carryover |
血清タンパク質の水溶液環境下における存在状態を評価するためにCDスペクトル取得に向けた溶液の条件設定および解析に時間を要した.骨補填材の調製に向けin vitroにおける検討を進める.
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