2023 Fiscal Year Research-status Report
IgG4関連疾患の創薬ターゲットとなり得る病因関連エンハンサーRNAの探索
Project/Area Number |
21K19607
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10637333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村川 泰裕 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50765469)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 特任教授 (60189040)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | スイッチ遺伝子 / IgG4関連疾患 / 臓器線維化 / CD4+CTL / 細胞傷害性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近では世界で注目されているIgG4関連疾患(IgG4-RD)は、本邦から提唱された新規疾患概念である。その特徴は罹患臓器へのT細胞およびB細胞の浸潤に伴う獲得免疫ネットワークの破綻から、不可逆性の組織障害およびB細胞からの免疫グロブリン産生がIgG4へクラススイッチする全身性疾患である。未だ病態が不明であり治療法がない難病である。術前に申請者は疾患特異的なT細胞とB細胞を探索する目的で、罹患臓器に浸潤した全免疫担当細胞をシングルセルレベルで解析した結果、IgG4-RDには極めて特異的な細胞傷害性ヘルパーT細胞(CD4+CTL)のサブセットがクローナルに増殖しており、病因細胞であることを突き止めた。これまで罹患臓器に浸潤した全免疫細胞をシングルセルレベルで解析した報告はなく、IgG4-RDの病因の本質となる免疫担当細胞を明らかにする研究成果を得た。そこで本研究では、これまでの研究をさらに進めて、我々が明らかにした疾患特異的なこの細胞群を詳細に解析し、これらを分離採取することを試みル。さらに、分離採取した細胞集団に対して、本疾患に特徴的な細胞傷害と免疫グロブリン産生の異常に関わる遺伝子発現制御に働く上流のゲノム転写ネットワークを明らかにする。ヒト疾患の疾患関連細胞のスイッチ遺伝子を明らかにし、新規の次世代ゲノム医療の基盤を築く。本疾患の臓器傷害に対する新規治療法の開発が求められており、この免疫学的特異性が治療標的になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IgG4-RDの罹患臓器に浸潤する全T細胞とB細胞をシングルセルレベルで解析し、疾患特異的な細胞集団を明らかにしているところである。罹患臓器に浸潤する細胞集団を分離採取し解析するには、腫大した組織の組織生検が必要であり、組織採取に向けたマーカーの選定と必要な細胞集団の分離採取をおこなっているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
比較対象疾患を増やして(特に、自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群や口腔癌)、同様に解析することで、特異的なマーカーの選定とスイッチ遺伝子の同定を行う。
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Causes of Carryover |
解析予定であった、検体の採取ができなかったため、次年度の予算で行うこととした。
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Research Products
(8 results)