2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K19648
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鴨打 正浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (80346783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾郷 哲朗 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30514202)
久保田 浩行 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40376603)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
松尾 龍 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60744589)
北園 孝成 九州大学, 医学研究院, 教授 (70284487)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
福岡県内脳卒中診療基幹病院4施設に入院した発症24時間以内の急性期脳梗塞患者のうち、研究への同意が得られた患者を対象に、機能予後に関連するバイオマーカーを探索した。重度の感染症、悪性腫瘍、慢性炎症性疾患、重度貧血等を有する患者を除外し、入院時および発症3週間後あるいは3週間以内の退院時に採血を行い、バイオマーカーを測定した。90項目のバイオマーカーを酵素免疫測定法により測定した。機能予後不良は、3か月後のmodified Rankin scale(mRS)スコア2-5および2-6と定義した。入院時のサイトカイン(物質A、B、C、D)、凝固系タンパク(物質E、F)、プロテアーゼ阻害因子(物質G、H)、細胞内酵素(物質I、J)、ペプチド(物質K)、成長因子(物質L)、可溶性受容体(物質M)、リポタンパク(物質N)、組織接着因子(物質O)、色素タンパク(物質P)等、種々のバイオマーカーが機能予後と関連していた。これらのバイオマーカーは、年齢、性、発症時神経学的重症度(National Institutes of Health Stroke Scaleスコア)で調整した後も、機能予後不良と有意に関連していた。また、多変量調整モデルで、臨床情報にバイオマーカーを加えた後、NRI(net reclassification improvement)とIDI(integrated discrimination improvement)を検討すると、有意に改善するバイオマーカーが認められた。バイオマーカー間では、相互に強い相関が認められ、大きく4つのクラスターに分類された。 今後はこれらのバイオマーカー相互の関連性、臨床情報との関連、機能予後との因果関係などをさらに検討していく。また、ゲノム情報について解析が可能となるようにバンク化を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳梗塞後の機能予後と関連があるバイオマーカーを複数見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
機能予後と関連のあるバイオマーカー相互の関係性を明らかにする。機能予後と関連のあるバイオマーカーを用いて機能予後の予測を行う。90項目のタンパクを用いた機械学習予測モデルと、臨床データから得られた予測モデルの間で、予後予測性能を比較する。ゲノム情報についても解析できる基盤を構築する。
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Causes of Carryover |
当初計画の遂行に関し、追加でデータ収集が必要となり、問題が解決するまで研究を延期することが必要となった。次年度は必要な人件費、謝金として使用し、データ収集に関する課題を解決する予定である。
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Research Products
(8 results)