2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K20073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
夏目 宗幸 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (50906732)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | 新田開発 / 土地利用 / 迅速測図 / 幕府直轄領 / 歴史GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度においては、新田開発前における将軍の狩猟の影響と鷹場関連職能者の関与に関する解明に関する研究の深化が進んだ。その内、将軍家が鹿狩を行う「御鹿狩之場所」に該当する武蔵野台地については、これまで未調査であった各種史料を参照することにより、寛永期の状況のみならず、元和期についても、一部の状況が新たに明らかになってきた。 その主な成果として、以下の二点が挙げられる。まず一点目としては、寛永期に全国に触れられた法令を比較すると、前述の「御鹿狩之場所」は、関東以外の地域においては存在せず、確実に関東地方にのみ存在する場である事を再確認することができたことである。二点目としては、元和期における武蔵野台地東部地域内は、二代将軍徳川秀忠の治世の下、東に徳川家光の鷹場、西に徳川忠長の鷹場が配置されていた可能性を提示したことである。こうした構造は、家光の将軍宣下に伴って変化した。征夷大将軍となった家光は、元来忠長が利用していた牟礼の鷹場へ進出、一方、権中納言に任じられた忠長は、直前まで上杉景勝に与えられていた府中・八王子の鷹場へ転出していたのではないかと考えられる。その後の忠長自身の失脚により、忠長が鷹場を拝領していた事実に関する記録は殆ど残されていないが、今回の調査によって、忠長鷹場の存在自体と、その具体的な位置、そして変遷を提示することができたと言え、当時の鷹場拝領システムの一旦が明らかになってきたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新田開発前における将軍の狩猟の影響と鷹場関連職能者の関与に関する解明に関する研究の深化が進んだことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は、引き続き、新田開発計画以前において行われた将軍の狩猟や、新田開発計画に関与した鷹場関連職能者の人物像に関する調査を優先的に実施していく予定であるが、忠長の鷹場に関する想定されていなかった成果が出たことにより、調査する年代を寛永期から遡り、天正期頃までも主な研究対象とする必要が出てきたと言える。
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Causes of Carryover |
予定していた調査が年度内にできなかったため次年度使用が生じた。次年度初頭に調査費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)