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2022 Fiscal Year Research-status Report

An Anthropological Study of the Revival of Traditional Authorities among Herero-Speaking People in Namibia

Research Project

Project/Area Number 21K20078
Research InstitutionNational Museum of Ethnology

Principal Investigator

宮本 佳和  国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外来研究員 (10912412)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2024-03-31
Keywords記念式典 / 祭司 / 秩序
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ポスト植民地期のアフリカにおいて注目される伝統的権威と近代国家体制の並存と葛藤という課題を、国家と交渉する人々のミクロな視点から探る。具体的には、南部アフリカのナミビア共和国に暮らす牧畜民ヘレロの伝統的権威が代表となり、近年活発化する「祖先の土地」返還論争に注目する。問題を取り巻く様々なアクターの分析を通して、当該社会の網の目を構成する伝統的権威の地位を、植民地期の遺物として捉えるのではなく、人々が社会状況の変化に応じて文化的・社会的に生成する地位として捉えて考察する。
2年目は、年度中頃から新型コロナウイルス感染拡大が収まってきたため、本研究が主軸とするフィールドワークの実施がようやく可能となった。感染症対策を十分おこなったうえで、まず本研究課題にかかる予備調査として、コロナ前後での調査地の変化を記録した。次に、「祖先の土地」返還運動を主導する伝統的権威の首長らが埋葬されている墓地で開催された記念式典に参加し、関係者らが「祖先の土地」についてどのように言及するのかを記録した。ナミビアにおいて長期休暇にあたる期間には、帰省者を中心に聞き取りをした。そのなかで、伝統的権威の党派ごとにいるとされる祭司にも話を聞くことができた。加えて、これまで国際共同研究でお世話になってきたケープタウン大学での在外研究が可能となったため、ネットワークをさらに広げながら、伝統的権威についての分析枠組みの検討も同時におこなった。また、アフリカにおける不確実性や偶然性に関する研究会での発表と参加を通して、人々の日常的行為から固定化された単一の制度や秩序をとらえ直す視点について理解を深めた。年度内の研究成果としては、本研究に関連して、国際誌Anthropology Southern Africaに単著の英語論文が掲載された。また、アフリカにおける国家統治と分配に関するコメントも刊行された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染拡大の影響でフィールドワークが後ろ倒しになったため、全体の計画が遅れている。また、主なインタビュー対象である伝統的権威の各党派の関係者が、新型コロナウイルスに感染し、相次いで急逝した影響が続いている。特に、「祖先の土地」返還運動の中心的人物の継承者をめぐり争いが続いているため、今年度もインタビューを断念せざるを得なかった。しかし、これまで実施することが困難であったナミビアでのフィールドワークが年度内に可能になったため、前年度の遅れを若干取り戻すことができた。

Strategy for Future Research Activity

最終年度となる次年度は、新型コロナウイルス感染拡大の様子を見ながら、フィールドワークを実施することを計画している。万が一、フィールドワークが困難な場合には、継承問題など現地の状況を見つつ、オンラインでインタビューなどをおこなうことで研究を進めていきたいと考えている。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大の影響でフィールドワークが後ろ倒しになったため、全体の計画が遅れている。また、主なインタビュー対象である伝統的権威の各党派の関係者が、新型コロナウイルスに感染し、相次いで急逝した影響が続いている。特に、「祖先の土地」返還運動の中心的人物の継承をめぐり争いが続いているため、今年度もインタビューを断念せざるを得ず、計画をさらに後ろ倒しにした。そのため次年度使用額が生じた。使用計画としては、状況を見ながら、最終年度にもナミビアへ渡航し、フィールドワークならびにインタビューを実施する計画である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results) Remarks (2 results)

  • [Int'l Joint Research] ケープタウン大学(南アフリカ)

    • Country Name
      SOUTH AFRICA
    • Counterpart Institution
      ケープタウン大学
  • [Int'l Joint Research] ナミビア大学(ナミビア)

    • Country Name
      NAMIBIA
    • Counterpart Institution
      ナミビア大学
  • [Journal Article] Traditional authorities, legal power and land disputes in north-west Namibia2022

    • Author(s)
      Miyamoto Kana
    • Journal Title

      Anthropology Southern Africa

      Volume: 45 Pages: 16~29

    • DOI

      10.1080/23323256.2021.2013122

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] チャンスとしての土地改革―ナミビアの牧畜民ヒンバ及びヘレロの事例から2023

    • Author(s)
      宮本佳和
    • Organizer
      公開シンポジウム「アフリカの冒険的現代―偶然化に託す希望のチカラ」
    • Invited
  • [Book] 「現代アフリカにおける医療と統治をめぐって―南部アフリカ牧畜民研究の視点からのコメント」、井田暁子、梅屋潔(編)『アフリカにおける健康と社会―人間らしい医療を求めて』2023

    • Author(s)
      宮本佳和
    • Total Pages
      209
    • Publisher
      風響社
  • [Remarks] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/kkmiyamoto

  • [Remarks] 東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター

    • URL

      http://www.tufs.ac.jp/asc/about/staff/post-4.html

URL: 

Published: 2023-12-25  

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