2023 Fiscal Year Research-status Report
日本のリサーチ・アドミニストレーターにはどのようなキャリアの展望が描けるのか
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21K20276
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
鈴木 紀子 帝塚山大学, 全学教育開発センター, 教授 (80374106)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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Keywords | リサーチ・アドミニストレーター / URA / キャリアパス / キャリアの変遷 / インタビュー調査 / ライフストーリー / URAの流動性 / 研究支援状況 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の進捗は、次の3つである。(1) URAのキャリアの変遷を辿る手段として、研究計画当初は、定量的な調査を予定していた。しかし、2022年度に着手したインタビューより、URA経験者の方からご自身のキャリアのみならず、国内の研究支援状況の変遷の一端を窺い知ることができた。それを受けて、定量的な調査ではなく、URA経験を含むライフストーリーの語りを得ることで、定性的な調査を行うことに研究計画を変更した。2023年度は、2022年度に対面で聴き取りをしたURA経験者1名に、引き続きオンラインでインタビュー調査を行った。計3回のインタビューを通して、URAを含む職歴・着任および離任の経緯等のライフストーリーから、キャリアおよびURAを取り巻く国内の研究支援状況の変遷に関する語りを得ることができた。(2) URAという専門職人材の流動性を調べるために、文部科学省の公開データおよびJST・JREC-IN Portalから提供された求人公募情報を用いて、URAの配置数および求人件数の時系列推移を定量的に分析した。特に直近の3年間では、URA経験者が求人公募情報を利用して活発に研究組織間を流動している可能性が示された。その結果を研究会で発表した。(3) 「人とシステムの関係性」という視点から、研究組織という現実世界のシステムで「第三の職」であるURAの立ち位置について、自分自身の経験に基づいた口頭発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度にインタビュー調査に着手した際に、聴取内容を受けて、2023年度よりURAのキャリアパスについての定量的な調査ではなく、URA経験者のライフストーリーに関する定性的な調査に研究方針を変更した。2023年度は1名のURA経験者の方へのインタビューを、2022年に引き続き2回実施することができた。定量的な調査に関しては、国内におけるURAの配置数と求人件数の時系列推移の分析を行ない、URAという専門職人材が研究組織間で活発に流動している可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続きURA経験者へのインタビュー調査を通して定性的な調査を行うともに、文部科学省の公開データおよびJST・JREC-IN Portalからの提供データに基づいて定量的な調査を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画に変更が生じ、インタビュー調査の回数が当初計画よりも減ったことと、対面ではなくオンラインでインタビュー調査を実施したことにより、主に謝金に余剰が生じた。2024年度は、2023年以前よりインタビュー調査回数を増やすとともに、調査結果をまとめた学会発表等を積極的に行う予定である。
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