2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structural control and mechanism of mechanical properties of polymer nanocomposites
Project/Area Number |
21K20411
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 祐生 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (20909767)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ポリマーナノコンポジット / 自己集合 / ナノ粒子 / 粗視化分子シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,粗視化分子シミュレーションを用いて,様々な添加剤がポリマーナノコンポジットの性質に与える影響を検討し,ポリマーナノコンポジット材料における力学特性の支配因子を特定を目指すことである.さらに明らかとなったメカニズムを基に,ヤヌス粒子を用いた相分離構造制御を行い,既存の材料では観察されない機械特性を有する材料を探索する.本年度は,ホモポリマーまたはブロックコポリマーで構成されるポリマーマトリックスに,ナノ粒子を添加した系について,平衡状態での自己集合構造,ガラス転移温度以上に設定された温度域での引張変形下における応力-ひずみ挙動の再現,解析を行った.検討パラメータは,ナノ粒子表面の化学的性質(ホモまたはJanus(異なる化学的性質の表面を伏せ持つ)),ナノ粒子の体積分率とした.平衡状態において,ブロックポリマーの組成比,およびナノ粒子表面の化学的性質を変化させることで,球状,柱状,ラメラ状の自己集合構造が形成されることが分かった.平衡シミュレーションで得られた様々な自己集合構造に対して引張シミュレーションを行ったところ,表面異方性ナノ粒子が添加された系は,表面等方性ナノ粒子が添加された系と比較して,より大きな機械的特性(引張強度)をもたらすことが明らかとなった.このときポリマーナノコンポジット中におけるナノ粒子の配置を解析したところ,ナノ粒子が界面付近に位置することで,機械的特性を向上させていることが分かった.
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