2021 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症者の自動車運転―実車評価時の脳活動の解明と運転支援システムの開発―
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21K21103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 宏基 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (20908545)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 自動車運転 / 自動車運転評価/支援 / fNIRS / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】現行の道路交通法では、統合失調症者(以下、対象者)に対し「自動車等の安全な運転に必要な能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないもの」に限って免許を認めるという規定を設けている。しかし、実際には対象者のどのような特徴が安全に運転する能力を障害しているかを判断する法的な根拠は乏しい。よって、本研究では、①Functional Near-Infrared Spectroscopy(以下、fNIRS)を用いて、自動車教習所内コースを運転した際の脳活動を計測し、健常者との差異を明らかにする、②実世界で対象者が運転している自動車にドライブレコーダーを設置し、実際の運転状況を解析した上で、机上での認知機能検査時の脳活動との関連を検討する。本研究の結果は、運転能力を客観的に評価する際の判断基準の作成、エビデンスに基づいた統合失調症者の自動車運転支援体制の構築に向けた一助につながる可能性がある。 【方法】両課題とも対象者50名、健常者50名を対象にする。①実車での脳活動の評価については、自動車教習所内の直線走行課題、ブレーキ課題、左右カーブ課題などfNIRS計測時に体動の影響を受けにくい課題を中心に健常者と前頭連合野の脳活動の差を検討する。②ドライビングレコーダー課題については、1000km分の走行データを解析し、違反運転/危険運転行動の特徴ごとに分類し、机上での認知機能検査時の脳活動の特徴との関連性を検討する。 【実施状況】対象者の選定を行い、ドライビングレコーダーの課題を中心に予備実験を行った。来年度より、両課題ともコロナ禍という現状に合わせて本研究を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年、21年度と世界的に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症パンデミックのため、感染にリスクの高い対象者に対して三密状態に近い、fNIRSを使用した実車での評価が困難となった。このため、2021年度は研究実施方法の変更を余儀なくされ、予定より少し遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の方法を少し変更し、感染にリスクが低い対象者に対しては実車での評価を行い、感染にリスクがあると判断される対象者に対しては、ドライビングシュミレータを使用して、各運転課題時の脳活動を評価し、ドライビングレコーダーで撮影した実世界での運転行動との関連を検討する。 また、実世界での対象者が運転している自動車にドライブレコーダーを設置し、実際の運転状況を解析した上で、机上での認知機能検査時の脳活動との関連を検討するなど、研究者と被験者が非接触な状態で、統合失調症者の実世界での運転行動と脳機能との関連を検討する手法の実施体制の拡充を図る。
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Causes of Carryover |
2022年度は研究計画を少し変更し行うため、機器、通信費等が必要となるが、計画通りに使用することができると考えられる。
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