2021 Fiscal Year Research-status Report
Urgent and comprehensive study of 2022 Tonga submarine eruption and associated tsunami
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21K21353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐竹 健治 東京大学, 地震研究所, 教授 (20178685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 究 東京大学, 地震研究所, 准教授 (10345176)
前野 深 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20444078)
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30301112)
鈴木 雄治郎 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30392939)
関谷 直也 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30422405)
佐藤 翔輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00614372)
サッパシー アナワット 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00648371)
佐々木 大輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (30784889)
西村 裕一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (20208226)
秦 康範 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70360849)
山田 真澄 京都大学, 防災研究所, 助教 (60456829)
朝位 孝二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70202570)
柿沼 太郎 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (70371755)
山本 真行 高知工科大学, システム工学群, 教授 (30368857)
有川 太郎 中央大学, 理工学部, 教授 (00344317)
田中 健路 広島工業大学, 環境学部, 教授 (30315288)
近貞 直孝 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 主任研究員 (90318197)
対馬 弘晃 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 主任研究官 (00589864)
藤井 雄士郎 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (60442836)
高川 智博 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (30451785)
王 宇晨 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), Young Research Fellow (80943290)
鴫原 良典 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (90532804)
吉本 充宏 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (20334287)
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Project Period (FY) |
2022-02-15 – 2023-03-31
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Keywords | トンガ火山 / 海底火山噴火 / 津波 / 気圧波 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和 4(2022)年1月15日にトンガ諸島付近のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山で噴火が発生、近隣の島嶼地域では降灰、津波などによる被害が発生した。この噴火に伴い、世界各地で急激な大気圧変化が観測され、日本でも噴火の約7時間後に記録された。日本沿岸では、津波の到達予測時刻より2~3時間早く、大気波動とほぼ同じ頃に津波が観測され始め、鹿児島県や岩手県で1mを超えたため、津波警報および注意報が発表された。 今回の噴火は稀にみる規模であったこと、噴火による大気圧変動と潮位変化が世界中で記録されたことから、海底火山の噴火および津波発生プロセスの把握、大気波動に伴う津波の発生メカニズム、トンガ諸島や日本沿岸における被害・影響、発表された津波注意報・警報に対する自治体・住民の対応や避難行動などの状況を包括的に調べるため、特別推進研究が立案された。 「テーマ1.火山噴火現象の解明」では、地震・空振データ及び衛星画像の解析により、浅海での火山爆発過程を解明し始めた。「テーマ2.火山性大気波動などによる全球規模での津波発生・伝播メカニズムの解明」では、世界中で記録された大気変動と津波データの解析を行い、大気波動と海面の共振による津波の発生や湾の共鳴現象などが明らかになりつつある。 「テーマ3.トンガ噴火性津波による我が国沿岸域への影響調査」では、日本沿岸で発生した被害状況を網羅的に把握し、今後の津波防災の対応に役立てることを目指す。「テーマ4.社会的影響・社会的側面の調査」では、情報の発出、避難の呼びかけがどのような効果を与えたか、自治体・住民の対応を調べ、今後の情報提供体制や対応に役立てることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2月18日に内定し、3月4日に交付決定通知が発出された。令和3年度は、実質的な研究期間が1か月ほどしかなく、2月23日に全体集会を開催して、各テーマ内及びテーマ間の情報交換を行った。 また、3月15日に開催された気象庁の第20回津波予測技術に関する勉強会で、本研究計画について紹介した。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ1.火山噴火現象の解明(1)多項目観測による浅海火山爆発過程の解明 では 衛星画像・気象データを解析し、火山活動の特徴を把握する。(2)火山噴火による大気波動の励起メカニズムの解明では、インフラサウンド観測ネットワークのデータから得られる微気圧観測データの詳細解析を行う。(3)噴火シミュレーション・規模推定では、大気再解析データ、物質科学から得られる情報を用いて3次元噴火シミュレーションを試行・高度化し、噴火規模と噴火強度を推定する。 テーマ2:火山性大気波動などによる全球規模での津波発生・伝播メカニズムの解明(1)国内外の微気圧観測データの解析による伝播特性の解明 では、収集した全球的な気圧データを解析する。(2)大気波動の海面の進行に伴う先行波の発達・増幅に関する解析では、大気波動から、津波が励起されるメカニズムを検証し、定量的な議論を行う。(3)噴火に伴う津波発生メカニズムの解明と火山性津波の予測手法の開発 では、トンガならびにその周辺の島々に被害をもたらした津波の発生メカニズムを解明する。 テーマ3:トンガ噴火性津波による我が国沿岸域への影響調査 1)沿岸域での被害実態および生態系への影響の把握、2)観測された津波の外力と被害との関係解明(被害関数の提案)、3)今後の課題や対応策の整理、4)得られた情報・知見を海外、特に小島嶼開発途上国(SIDS)などへの提言と支援、を検討する。 テーマ4:社会的影響・社会的側面の調査(1)国内の津波警報と住民の対応の調査として、行政機関や自治体の避難指示などの情報、呼びかけ、情報発出文を整理し、自治体の情報発出状況について調査する。また、(2)現地および周辺国における噴火被害の状況についての情報収集として、自治体・住民への聞き取り調査などにより、可能な限り情報を集める。
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Causes of Carryover |
交付決定が3月4日,実際の入金が3月半ばであったことから令和3年度に物品購入などをすることができなかったため,次年度に使用することとした.
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Research Products
(3 results)