2021 Fiscal Year Research-status Report
An international joint research toward the sound rural developments in developing countries
Project/Area Number |
21KK0014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80346098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 悟史 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (10747869)
時任 美乃理 京都大学, 地球環境学堂, 特定助教 (20824220)
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70346097)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 農村開発 / ベトナム・フエ / カンボジア・ラタナキリ / 地域計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,限りある資源を切り売りすることで成り立ってきた生業構造を,元々ある地域資源を最大限に活かすことによって改善するための理論を構築し,その理論を利害関係者との議論を通じて,地域が受容できる形で提案すること,および,その社会還元を行うことを最終的に目指している。研究の初年度として,調査準備として関連文献レビューとこれまでの調査経験から得た知見を基に地域資源情報の整理,および重点的に収集すべき情報と調査項目の設定を行った。予測される将来人口に対する農地の需要,およびその空間分布,大規模プランテーションが将来縮小された場合の土地利用の戦略的転換,洪水被害・地すべりの予測と復旧力の空間表示,単一栽培集約化による現在の生業構造の脆弱性,土壌,気象条件,その土地に本来最適な農作物などの指標を可能な限り収集した。Covid-19による影響により海外渡航は実施できなかったが,現地共同研究者に依頼する形で,統計局当から多種のデータを収集することが可能となった。 対象地域の農業は稲作とプランテーションが中心である。その他にもキャッサバやバナナの小規模栽培,家畜を有している世帯もある。近隣の都市からの物流も増えてきており,物品・食料・肥料の購入に加え,子供の教育のための資金が必要となりつつある。 Zoomを用いて,不定期開催となったが,おおよそ月に二度の頻度で遠隔定期セミナーを実施した。ここでは,研究進捗報告,関連文献レビュー,プロジェクトの方向性の確認等を行った。これを通じて,次年度以降,プロジェクトの円滑な運営が可能となることが期待でき,ベトナム・カンボジア・日本の若手の人材育成と人的ネットワーク形成の端緒を形成したものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Covid-19の影響により,海外渡航は実施できなかったが,これは事前に織り込み済みであり,対象地域であるベトナムとカンボジアの共同研究者に依頼する形で,必要な社会経済データ,地理的データの取得を進めた。また,これらのデータの一元管理を行い,一部はGISデータとして整備を行った。次年度以降の海外調査を見据えて,十分な準備を実施したため,おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査準備として関連文献レビューとこれまでの調査経験から得た知見を基に地域資源情報の整理,および重点的に収集すべき情報と調査項目の設定を行う。次に,対象とする村で,世帯ごとの住民への悉皆調査(全世帯調査)を実施し,近年の生活状況や変化,収入の状況(概略のみ),土地利用,生業の変化等の情報を収集する。 生活構造の変質を明確化するため,プランテーションによる生業の多様性喪失・相続のための土地の細分化・養育費(特に教育費)の割合・互助関係の弱体化等,生活構造の構成が変化した事で,外的要因に曝される要素が,生活構造のどの程度の割合を占めているのかを統計的に示す。それぞれの要素が住民の生活構造にとって負の要因であるか,正の要因であるかも聞き取りの状況や文献を参考にして検討し分類する。 検討した脆弱性の要因を検証するため住民への追加調査と行政への詳細な聞き取りを実施する。行政機関では,稲作,畜産,プランテーションといった生業の種類と収入に占める割合について集落の状況と過去からの変遷について聞き取り,かつその資料を収集する。生業が特定のプランテーションへ完全に特化した世帯も多く存在すると想定されるため,こうした世帯の収入状況,買い付け価格の変遷,普段の食料の入手方法なども明確化する。 また,遠隔セミナーについては,本年度も継続して実施し,若手育成およびネットワーク形成を強固にすることを目指す。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により,海外渡航が不可能となったため,次年度使用額が生じることとなった。渡航計画は立てており,直前まで実施予定であったが,大学および外務省が渡航を推奨しないとの通知があり断念することとなった。本年度については,複数回の海外渡航を通じて,昨年度に実施できなかったインタビューなどを行う予定であり,予算を効率的に消化し,学術的な成果を挙げる予定である。
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Research Products
(6 results)