2021 Fiscal Year Research-status Report
損傷後に補修したRC構造性能評価のための微細構造解析システムの構築
Project/Area Number |
21KK0072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長井 宏平 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00451790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩嗣 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10573660)
鎌田 知久 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70804194)
金澤 健 北海学園大学, 工学部, 講師 (80823773)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | コンクリート / 微細構造解析 / 繊維補強 / 鉄筋腐食 / 凍結融解作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外共同研究者となる深セン大学の上田教授,カリフォルニア大学デイビス校のBolander教授と研究の進め方について確認した。 研究のコアとなる微細構造解析プログラムに連続繊維シートのモデルを組み込み,引張試験による付着挙動の解析を行った。微細スケールにおいてはコンクリート側にもひび割れが進展し損傷が蓄積されることでマクロな付着挙動にも影響を与える。また,コンクリートには繊維軸方向から横方向にも応力が広がるが,これを3次元解析により再現可能である。解析により,局所の損傷と全体の応答を再現し,解析の妥当性の検討を続けている。 水分移動のモデル化についても,既往の水分移動,物質移動モデルから,本解析システムに組み込むモデルの高度化を進めている。特に,水分供給初期にコンクリートの乾燥度が高い場合と湿潤状態では,条件により水分の浸透速度が異なるので,適切なモデル化が必要である。 鉄筋腐食については,腐食後の付着挙動をより正確に再現するために,研究代表者が過去に行った試験の観察動画から画像相関法を用いて界面の挙動をより詳細に分析し,鉄筋からコンクリートへの応力伝達の変化と鉄筋表面の腐食生成物の影響について調査をしている。 凍結融解作用については,水分の供給と温度の影響のモデル化の方法と,劣化後に材料力学特性がどのように低下していくかについて,既往の文献を参考に,モデル化の方法を検討している。特に温度履歴のモデルへの反映を,解析可能なものとして行うことが重要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者との連絡状況も良好であり,研究を開始することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
数値解析の高度化を軸に研究を進める。海外渡航に制限があり長期滞在計画が難しいが,その場合でもウェブ会議などで連絡を取りながら,研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた実験の一部に遅延が生じ,翌年度の実施となったため。
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