2022 Fiscal Year Research-status Report
多様なトロゴサイトーシスモデルを用いた侵襲的相互作用による情報伝達機構の解明
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21KK0139
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 泰昭 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, フェロー (10771371)
森岡 翔 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 客員教授 (60870029)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | トロゴサイトーシス / ファゴサイトーシス / 侵襲的相互作用 / 赤痢アメーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
動物細胞トロゴサイトーシスモデル確立に向けて、バージニア大学にて動物細胞を用いた貪食アッセイ方法の研修を行った。CHO細胞の亜株であるLR73細胞を貪食細胞とし、アポトーシス細胞のFACSによる貪食アッセイ方法を学んだ。ここではUV照射によりアポトーシスを誘導したJurkat細胞をpH感受性の色素で染色し、酸性化貪食胞に由来するシグナルを検出した。技術の習得が完了した。また、LR73をエサとしてもわずかではあるがシグナルが観察されたことから、生細胞の取り込が起こる可能性が考えられた。 赤痢アメーバにおけるトロゴサイトーシスの目的の一つが表面分子のCross-dressであるなら、その効率は病態が異なる臨床分離株で多様である可能性がある。これを評価するため、Cross-dress検出方法を検討した。赤痢アメーバ標準株(HM1:IMSS cl-6)とJurkat細胞を30分共培養した後、膜透過性処理をせず、抗MHC class I(MHCI)抗体、続いて二次抗体で処理し、FACSにて解析を行った。細胞サイズと複雑性のパラメータから赤痢アメーバの集団を規定し、この細胞集団をさらにFL1とFL4で展開した。FL1(緑)は自家蛍光を持つ赤痢アメーバのみ陽性となり、FL4(遠赤外)で抗MHCI抗体シグナルを評価した。この結果、FL1、FL4共に陽性の集団にFL4強陽性、弱陽性の二集団が観察された。FL4強陽性集団は取り込み途中で接着状態にあるJurkatからのシグナルが影響していると考えられ、FL4弱陽性の集団がCross-dress集団と考えられた。赤痢アメーバにおける既知のトロゴサイトーシス阻害剤であるガラクトースでCross-dressが低下したことから、この集団をCross-dress群として評価することとした。Cross-dress評価方法が確立された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物細胞、赤痢アメーバ、両モデルについて研究が進んでいる。赤痢アメーバ臨床分離株についても樹立、研究準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物細胞モデルの樹立を進展させる。赤痢アメーバ臨床分離株を用いたCross-dress、貪食、トロゴサイトーシスの解析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度に通年での実験補助員の雇用を行うため。
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