2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of novel molecular targets for oral cancer stem cells and establishment of novel oral cancer treatment strategy
Project/Area Number |
21KK0162
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50314753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 真莉子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 特任研究員 (30875787)
清宮 啓之 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子生物治療研究部, 部長 (50280623)
毛利 安宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (80464353)
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Project Period (FY) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 未分化能維持 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「多能性幹細胞と体細胞におけるユビキチン分解を介した細胞周期制御の違い」に着目し、海外共同研究者独自の技術を活かして、多能性幹細胞の未分化能維持候補因子を同定し、同定した候補因子から、口腔癌幹細胞の未分化能維持に関わる因子を絞り込むことに挑む。さらに、創薬スクリーニング技術を持つ日本人研究者と若手研究者との共同研究により、絞り込んだ口腔癌幹細胞の未分化能維持因子に関して、阻害薬を探索し、最終的に口腔がん幹細胞を標的とした新規分子標的治療薬の開発を目指すことを目的としている。 本年度は、実際に海外に2週間滞在し、研究打ち合わせおよび研究を実施をした。昨年度に構築したFLAGおよびHAタグを付与した野生型Cdh1と基質タンパク質に結合できない変異体(W321R and S330P)のレンチウイルスプラスミドを多能性幹細胞であるNCC-IT-A3細胞に導入した。導入した細胞をそれぞれ回収し、FLAGおよびHAタグで免疫沈降し、精製したサンプルを用いて、Cdh1の結合因子を質量分析により解析した。野生型Cdh1に結合し、変異体(W321R and S330P)で結合しないタンパク質をスクリーニングし、APC/C基質タンパク質候補因子として複数のタンパク質を同定した。それらすべてのタンパク質に対して、発現プラスミドを構築し、293T細胞へ遺伝子導入し、その発現を確認した。同定した多くの因子が、Cdh1との共遺伝子導入により、発現が低下したことから、APC/C基質タンパク質の可能性が示唆された。現在、Cdh1との結合を確認しており、次年度以降にそれらタンパク質の役割について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、実際に海外に2週間滞在し、研究打ち合わせおよび研究が実施できた。さらに、本研究の目的である多能性幹細胞のG1期において、基質タンパク質との結合を仲介するCdh1の結合因子(APC/C基質タンパク質候補因子)を複数同定することができたことから、順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
多能性幹細胞のG1期において、基質タンパク質との結合を仲介するCdh1の結合因子をAPC/C基質タンパク質候補因子として探索し、候補因子が同定した。今後は、それら候補因子とCdh1との結合を確認し、その役割を明らかにする。具体的には、それら候補因子のsiRNAを用いてノックダウンし、未分化マーカーの発現低下と外胚葉・中胚葉・内胚葉の各分化マーカーの発現上昇を検討し、実際に多能性幹細胞の未分化能維持に関わる因子を絞り込む。さらに、口腔がん幹細胞における未分化能維持因子の阻害による分化誘導の検証を行う。最終的には、著しい効果を示す未分化能維持因子に対して、天然物あるいは化合物ライブラリーを用いた阻害剤のハイスループットスクリーニングを行う。
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