2023 Fiscal Year Research-status Report
地域生態史の比較によるマダガスカル南部タマリンド林の形成・維持機構の解明
Project/Area Number |
21KK0213
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
市野 進一郎 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 特任助教 (30402754)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | タマリンド / 導入植物 / 史前帰化植物 / マダガスカル / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マダガスカル南部のタマリンドが優占する川辺林が形成された要因を地域生態史の視点から解明することである。ドイツおよびマダガスカルとの国際共同研究を実施し、マダガスカルの南部と西部の森林を比較することで、タマリンドの分布と人間活動との関連を調べる計画である。 今年度は7月から8月にかけてドイツ霊長類センター(ゲッティンゲン市)に滞在した。また、ドイツ渡航の前後で台湾を訪問し、タマリンドの生育状況に関する調査をおこなった。ドイツ霊長類センターではPeter Kappeler教授およびClaudia Fichtel上級研究員とともに国際共同研究の具体的方法について検討をおこなった。また、キツネザル類の人口学データの分析に関する議論をおこない、データ処理を進めた。 台湾ではタマリンドの生育状況に関する現地調査と情報収集をおこなった。タマリンドの自然植生化の有無やタマリンド導入の歴史に関する情報を求めて、台北植物園、台湾省林業試験場恒春分所および鳳山熱帯園芸試験分所を訪問した。調査した範囲では、台湾のタマリンドに自然植生化は観察されなかった。 11月にはマダガスカルで現地調査を実施した。アンタナナリヴ大学のFelix Rakotondraparany准教授らとともに南部のベレンティ保護区で調査をおこなった。胸高直径50cm以上のタマリンドで2000年、2010年に計測調査をおこなった個体を調べ、枯死したタマリンドを記録した。また、生存個体99個体と乾燥低木林区域に生育するタマリンド21個体の生育状況および花、果実、新葉の利用可能度を記録した。多くの個体が落葉後に花をつけていたが、個体差が大きく、乾燥低木林区域では果実も多く見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、ドイツとマダガスカルに渡航し、国際共同研究を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ドイツとマダガスカルに渡航し、国際共同研究を実施する予定である。次年度は、ドイツ霊長類センターが運営する研究調査地キリンディ森林で調査を実施する。
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