2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22000014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 いくこ 京都大学, 理学研究科, 教授 (00241232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 知生 京都大学, 理学研究科, 講師 (20281587)
田村 謙太郎 京都大学, 理学研究科, 助教 (40378609)
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Project Period (FY) |
2013 – 2015
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Keywords | シロイヌナズナ / 細胞内膜系動態 / 小胞体 / 細胞骨格 / 環境応答 / 環境ストレス / 生体防御 / 植物免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は, 免疫細胞などの特殊な防御細胞をもたないことから, 全身の細胞が外敵や環境ストレスから個体を守るための仕組みをもつ必要がある. 本研究の目的は, 細胞内膜系の動態という視点から, 植物の感染防御応答や環境応答を解析し, 細胞から個体レベルでの「植物の生存戦略」の理解を目指すこととした. 当該年度の具体的な成果は下記の通りである. (1)代表的な細胞内膜系である小胞体のorganizationとdynamicsを支えている分子機構について, 小胞体膜タンパク質RHD3の細胞質tailのリン酸化がRHD3そのものの重合を引き起こすこと, それにより膜融合が促進されることを見出した. このRHD3の機能が, 本研究課題の端緒の一つとなった発見「小胞体の流動」を支えていることも明らかとなった. (2)病害応答制御系では, 前年度の報告「食植生昆虫からの防御系を担うミロシン細胞が葉の維管束に沿って配備される」について, ミロシン細胞と維管束細胞の葉原基からの分化が独立していることを証明した. また, バクテリア感染応答については, アダプター複合体に注目した解析を行い, AP2とAP4がエフェクター依存的な感染応答に関与していることを示した. 特に, AP4が本研究課題のもう一つの端緒となった発見「バクテリア感染による膜融合現象」に関与することを示唆する成果を得た. (3)環境応答系では, 植物細胞の原形質流動と器官の屈曲にABC transporter B family protein(ABCB19)が関与することを証明した. 本研究課題を通して, 私たちは, 小胞体流動が植物細胞の原形質流動の駆動力となっており, この原形質流動と器官屈曲の関連性を示唆することができた. これまでの細胞内膜系の動態解析を通して, 植物の基本的な成長原理に迫る成果が得られたと考える.
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[Journal Article] Phosphorylation of the C Terminus of RHD3 Has a Critical Role in Homotypic ER Membrane Fusion in Arabidopsis.2016
Author(s)
Ueda H, Yokota E, Kuwata K, Kutsuna N, Mano S, Shimada T, Tamura K, Stefano G, Fukao Y, Brandizzi F, Shimmen T, Nishimura M, Hara-Nishimura I.
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Journal Title
Plant Physiol.
Volume: 170
Issue: 2
Pages: 867-880
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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