2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん悪性形質を制御するNodal PointとしてのMT1-MMPの解析
Project/Area Number |
22220014
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清木 元治 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10154634)
|
Keywords | MT1-MMP / HB-EGF / p27RF-Rho / ZF21 / Mint3 / HIF-1 |
Research Abstract |
膜型マトリックスメタロプロテアーゼMT1-MMPによるがん細胞の増殖促進に、HB-EGFのプロセッシングによる増殖因子の増強が関与することを明らかにした。MT1-MMPとHB-EGFの共発現は腫瘍形成を相乗的に促進する。また、MT1-MMPによるHB-EGFのプロセシング断片がヒト卵巣癌でも検出されることを報告した。がん細胞の浸潤に際してMT1-MMPは浸潤突起に存在する。MT1-MMPと浸潤突起で共局在する因子としてp27RF-Rhoを同定した。p27RF-RhoはRhoAの活性化を促進し、浸潤突起形成に際してのアクチン重合を促進することにより、MT1-MMPの浸潤促進機能を制御することを報告した。細胞接着分子であるインテグリンとMT1-MMPは共局在することが報告されている。 MT1-MMPの細胞内ドメインに結合する因子として同定したZF21が細胞接着班に局在するタンパク質であることを明らかにし、その機能として接着班の分解を制御することを報告した。ZF21は接着班の分解を制御する微小管と結合するとともに、FAK、カルパイン、SHP2など接着班の分解的制御に関わる因子と結合する。MT1-MMPはマクロファージの浸潤に使われると同時に、同細胞のATP産生をになう好気的解膳系の維持に必要であることを明らかにしている。その仕組みとして解糖系酵素の発現制御をしているHIF-1転写因子を制御する機構を解明し、報告した。また、MT1-MMP依存性のHIF-1活性化に必要な因子としてこれまで機能不明であったMint3の新たな役割を報告した。
|
Research Products
(14 results)