2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22222002
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
大村 幸弘 公益財団法人 中近東文化センター, アナトリア考古学研究所, 所長 (10260142)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 考古学 / アナトリア / 文化編年 / 先史時代 / カマン・カレホユック / 鉄資料 / 保存修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
(公財)中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所は、平成26年6月25日~9月6日、第29次カマン・カレホユック発掘調査を行った。この発掘調査の主目的の一つは『文化編年』を構築することである。特に前2千年紀初頭以前の先史時代の『文化編年』の構築を目指している。この発掘調査を通し、古代中近東世界と古代南東ヨーロッパの接点であるアナトリアが文化的、歴史的にどのような役割を演じたかを解明するところにある。 当該年度は、昨年度に引き続き北区のIV区~VIII区で第IIIc層-アッシリア商業植民地時代、第IVa層-中間期、その直下の第IVb層-前期青銅器時代に焦点を合わせて調査を行った。C14の分析結果や出土土器類の観察から読み取れるのは、この中間期が中央アナトリアの前期青銅器時代から中期青銅器時代にかけての過渡期といえることであり、メソポタミアの文化が入り始めた時期だということである。当該年度の調査から、従来アナトリア考古学で前20世紀初頭と考えられてきたアッシリア商人のアナトリアにおける経済活動は、第IVa層-中間期には既に経済活動に入っていたことがより裏付けられたと言えよう。第IVa層から多数出土した鉄資料は、一般的にヒッタイト帝国崩壊後に始まったと言われている鉄器時代よりも凡そ800年以上前の文化層から出土しており、分析結果が出るのを待ってその意味するところを熟考しなければならない。 当該年度も多数の遺物が出土しており、これら出土遺物のクリーニング、修復、復元、整理作業を行った。発掘終了後には現場に屋根を架け遺構を保存した。オフシーズン中も発掘現場を保存し翌年の研究につなげるには、架設屋根は非常に有効な手段である。これらの作業を継続してきたことにより、文化層を判断する上で重要な基準である出土遺構の床面や断面を保存できたものと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)