2012 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境保全を目指した海洋生物における石灰化の制御機構の解明
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22228006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 寛道 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60134508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 敏博 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50282728)
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Project Period (FY) |
2010-05-31 – 2013-03-31
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Keywords | 海洋生物 / 石灰化 / 地球環境保全 / 有機無機相互作用 / 結晶多形 / 基質タンパク質 / バイオミネラリゼーション / その場観察 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり、これまでの研究を継続するとともに、まとめを行った。 材料として、軟体動物の貝殻、円石藻のココリス、魚類の鱗、サンゴの骨格を用い、それぞれの材料における有機基質の構造機能解析を通して石灰化のメカニズムを解明することを目指した。新規の基質タンパク質として、アザミサンゴの骨格から1種の不溶性タンパク質を得た。また、すでに得られていたアコヤガイ真珠層のタンパク質Pif 80についてはアラゴナイト結合に寄与している部分配列を推定できた。また稜柱層の有機基質の3次元分布を明らかにした。キンギョの鱗の基質タンパク質GSP-37については組織内分布を明らかにするとともに、同じ石灰化組織である骨や歯にも発現していることを明らかにした。将来骨の研究に役立つ成果と考えられる。アザミサンゴの基質タンパク質であるgalaxinを大腸菌発現系を用いて組換え体を調製し、これが炭酸カルシウム結晶やキチンに結合能を示したことから石灰化に重要な役割を有することが推定された。 さらに、挑戦的な試みとして、円石藻に対する遺伝子導入方法の開発、アコヤガイ外套膜のin vitro培養下での石灰化、アザミサンゴから新規不溶性有機基質の同定、および結晶多形に関する実験を行った。円石藻のココリスの有機基板からすでにCSAP-2と名付けたタンパク質を得ているが、このタンパク質の機能を知るためにRNA干渉を試み、世界に先駆けてその方法をほぼ確立することができた。また、真珠養殖産業で最も鍵となる真珠袋の形成と石灰化のメカニズムの解明を目指して外套膜のin vitro培養で解析できないか試行錯誤したが、今のところ石灰化は成功していない。 これまで、さまざまな生物の石灰化組織に含まれる有機基質の重要性を明らかにしてきたが、有機基質の分布と機能を基に分類したこれまでの共通モデルを微修正し、より良いモデルを提案した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(36 results)