2010 Fiscal Year Annual Research Report
KLF転写因子による生活習慣病・癌の病態分子機構解明と治療応用
Project/Area Number |
22229006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞鍋 一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70359628)
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Keywords | 転写因子 / 動脈硬化 / 糖尿病 / 慢性腎臓病 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
本研究ではLKLF転写因子ファミリーに注目して、心血管・腎・代謝疾患と癌の分子機構を解析するとともに、これら多様な疾患の背景にある共通した分子機序を明らかにすることを目的としている。本年度は、特に慢性腎臓病に着目した解析を行った。その結果、KLF5が腎集合管上皮細胞に発現しており、外的傷害に反応してS100因子の発現を制御することによって、腎臓での炎症プロセスを調節することを見いだした。特に、M1型マクロファージの遊走に重要であること、リクルートされたM1マクロファージが尿細管問質障害を惹起することを明らかにした。M1に遅れて集積するM2型マクロファージは、一方、線維化を促進する。以上の結果は、慢性腎臓病においても炎症プロセスが発症進展に重要であること、また、集合管上皮細胞が重要なセンサーであることを示す。また、KLF5が集合管上皮細胞で制御する遺伝子群について、ChIP-seq及びmicroarrayによるゲノムワイド解析を行った。来年度以降、KLF5標的遺伝子の機能を解析することによって、腎臓における病態進展メカニズムが明らかにできるだけでなく、心臓等遠隔臓器への作用についても分子レベルでの知見が得られると考えられる。一方、KLF5を膵β細胞特異的に過剰発現及びノックアウトしたマウスを作製し、膵β細胞におけるKLF5機能の解析を行った。
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Research Products
(5 results)