2011 Fiscal Year Annual Research Report
医工学的解析に基づく生体機械受容システムの分子的基盤と生理学的意義の解明
Project/Area Number |
22240056
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
入部 玄太郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90284885)
中村 一文 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (10335630)
竹居 孝二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40322226)
山田 浩司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80325092)
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Keywords | 機械受容システム / Ca2+輸送体 / メカノセンサー / チャネル / 医工学的手法 / トランスポーター |
Research Abstract |
生体内では至るところで、伸展や剪断応力といった物理的な機械刺激が生じている。細胞の機械受容システムを介して伝達されるこのような刺激は、単に生体にとって不利益なストレスではなく、発生過程や臓器機能発現に不可欠な生体情報であることが次第に明らかになってきた。しかしながら、機械受容システムの分子的基盤は未だ解明されておらず、その生理的意義や病態発症における役割については、全く不明である。この問題の解決には生体内環境を再現・評価する医工学的方法論の開発と、機械受容チャネル分子を標的とした分子細胞生物学的解析ならびに遺伝子改変動物を用いた生理学的解析が必須である。本研究では、分子・細胞・生体を網羅する独自のマルチレベル評価法に基づくトランスレーショナルリサーチを展開して、生体の機械受容システムの分子的基盤と、その生理的意義を解明することを目的とする。これまでに、我々が注目しているいくつかのメカノセンサー候補分子が、様々な組織で広く発現していることが明らかとなっていた。本年度は、メカノセンサー分子が強く発現している組織から初代培養細胞を単離し、これらのメカニカルストレス依存的な細胞応答を解析した。さらに、これらの細胞から対象とするメカノセンサー候補分子をノックダウンし、メカニカルストレス依存的な細胞応答が失われることを確認した。このことから、我々が対象としているメカノセンサー候補分子が、生体でのメカニカルストレス受容・応答のキー分子であることが示唆された。さらに、生体のメカニカルストレス応答を解析するためのツールをマウス用に小型化することを試み、生理機能解析の準備が整ったところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が対象としているメカノセンサー候補分子は、(1)様々な組織に広く発現していること、(2)それぞれの組織から単離した細胞がこのメカノセンサー候補分子の機能依存的なメカニカルストレス応答をすることが明らかとなった。これらのことから、対象とするメカノセンサー分子を介したメカノトランスダクション経路の生理的重要性を明らかにすることができたため。さらに、生体での重要性を解析する準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま計画どおりに進めていきたい。また本年度は最終年度であるので、こまめに研究成果をまとめていき、成果発表にも力をいれたい。
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Research Products
(4 results)