2010 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂の呼吸器疾患への影響調査と遺伝子解析によるアレルギーの増悪・感受性要因の解明
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22241011
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉利 真由美 理化学研究所, 呼吸器疾患研究チーム, チーム・リーダー (00217184)
野口 恵美子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (40344882)
岸川 禮子 国立病院機構福岡病院, 内科・アレルギー科, 医長 (50450945)
吉田 誠 国立病院機構福岡病院, 呼吸器内科・検査科, 医長 (90315060)
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
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Keywords | 黄砂 / 気管支喘息 / アトピー性皮膚炎 / 花粉症 / アレルギー増悪 / マウスモデル / ヒト鼻粘膜細胞 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
1. 呼吸器疾患患者を対象とした調査:PEF(ピークフロー)測定中の喘息患者163名(5年間)の合計491回の黄砂日後のPEF値は6%が低下し、黄砂日が多い年ほど影響が強いが自覚症状は乏しかった。2010年3月黄砂日後受診した主に喘息患者212名に問診を行った結果、25%が上気道症状悪化を訴えた。 2. 喘息発症動物に対する黄砂のアレルギー増悪作用の検討/黄砂によるアトピー性皮膚炎増悪モデルの確立:卵白アルブミン(OVA)をICRマウスに気管内投与して喘息モデルを誘発した後に黄砂を投与(OVAを投与した1日後に黄砂を投与)して喘息病態への黄砂の影響を調べた。黄砂はOVAによって誘発された喘息病態を更に悪化させた。しかし、黄砂とOVAの同時投与が最も喘息病態を悪化させることが分かった。Nc/Ngaマウスの皮膚にダニ抗原と黄砂を塗布してアトピー性皮膚炎(AD)の臨床症状を調べた結果、明らかに黄砂はADの臨床症状を悪化させることが分かった。 3. 黄砂気管内投与動物における炎症誘導性の転写因子・シグナル伝達物質の解析:黄砂を気管内投与したマウスの脾臓および肺のリンパ節のIL1βmRNA発現を解析したところ、対照群に比べ両リンパ組織において有意にmRNA発現が増強していた。この結果から黄砂は近傍のリンパ節のみならず、全身性に影響を及ぼすことを示唆した。 4. ヒト鼻粘膜上皮細胞と気管支上皮細胞における炎症性サイトカイン遺伝子群の解析:気道上皮細胞(気管支上皮細胞NHBE、鼻粘膜上皮細胞HNEpC)を黄砂で刺激し、炎症性サイトカインのmRNAの発現量を検討した。さらにそれらに対するIL-4の影響について検討した。その結果、気管支上皮細胞においてIL-1B, IL-6, IL-8, TNFαは黄砂で誘導されること、IL-1β, IL-8, TNFαはIL-4存在下で誘導が増強されることを見いだした。また、鼻粘膜上皮細胞においてTLR2, CXCL2, CCL3, IP10, IL-6, IL-8, TNFαは黄砂で誘導がかかり、IL-4存在下で誘導が増強されることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)