2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22241025
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
仙場 浩一 国立情報学研究所, 量子情報国際研究センター, 特任教授 (50393773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 香絵 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (80370104)
中ノ 勇人 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (60393774)
狩元 慎一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究主任 (80393734)
齊藤 志郎 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 特別研究員、主任研究員 (90393777)
角柳 孝輔 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究主任 (40417093)
ZHU Xiaobo 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, シニアリサーチアソシエイト (70536226)
嘉数 誠 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50393731)
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Keywords | 量子メモリー / 超伝導 / ダイヤモンド / 人工原子 / NVセンター / エンタングルメント / 量子非破壊測定 / 量子通信 |
Research Abstract |
【実験グループ】【A-2:マイクロ波光子⇔超伝導人工原子⇔(量子二準位系)TLS 間での量子もつれ制御技術の最適化】を達成した。超伝導人工原子を使い、光子⇔TLS 間に量子もつれを生成・解除するパルス配列の最適化を行い、3種類の異なる量子系の間での量子もつれの自在な形成を達成した。結果は、Phys. Rev. B 84, 104505 (2011)に掲載。 ダイヤモンド結晶中のスピン集団とトンネルエネルギー可変型の磁束量子ビット間での量子メモリーの原理実験(エネルギー量子の交換振動の観測)に成功し、結果は Nature 478,221-224(2011) 誌に掲載され、報道発表を行った。新聞掲載:日経産業新聞等4紙。 ダイヤモンド結晶中の窒素不純物と空孔が作るNV中心の約3千万個のスピン集団と超伝導量子ビットを組み合わせてハイブリッド系の量子状態を作り、2つの異なる巨視的な物質間に量子もつれ状態を生成することに世界で初めて成功した。日経サイエンス2012年1月号に紹介記事掲載。 今回の研究成果を応用すれば、超伝導量子ビットの量子状態を、NV中心ダイヤモンドのスピン状態に保存することが可能になる。 【理論グループ】【T1:】マイクロ波との相互作用については、マイクロ波のみに焦点を当てずに、ダイヤモンドNVセンターとの相互作用による状態生成と検証の方法へ変更・拡張した。【T2:】量子非破壊測定の提案については、超伝導素子とともに、NVダイヤモンド集団を用いたゲート実装方法を検討し、原子集団との拡張と比較についても議論した。これらの状態を検証するための数理的な道具立てとして、SU(N)を用いた状態表現と状態の量子性の特徴付けについて議論した。 【佐賀大グループ】NV中心を内包する原子層厚さの高濃度窒素ドーピング層を結晶成長するためのダイヤモンド成長装置とその電気的評価装置の製作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全3年計画の研究計画の2年目のうちに、分担・連携・協力 研究者の方々との理想的な共同研究が進展して、ダイヤモンド結晶中の電子スピンアンサンブルを用いた量子メモリーの原理実験に世界で最初に成功し、結果を論文化(Nature 478,221-224(2011) 誌に掲載)して公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
超伝導人工原子回路の直上、マイクロメートル程度離れた位置にダイヤモンド結晶を置くだけで、ESRやNMRなど典型的な磁気共鳴計測に必要なスピン数に比較して桁違いに少ない(50 atto mol程度)スピン集団を用いて、量子メモリー動作に必須な強結合条件が達成できることを世界に先駆けて実証することに成功した。しかし、実験から得られたスピン集団の位相緩和時間(量子メモリー時間の目安)は、室温での単一のNVスピンのコヒーレンス特性に比べても、まだかなり短く、これを改良することが次のステップへの大きな課題である。今後、NVスピン系のデコヒーレンスの原因を追究し、より希薄なNVスピン集団の使用、スピンエコー法の援用など、量子メモリー側のスピンアンサンブルのコヒーレンス時間の改良を試みる。
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[Journal Article] Coherent coupling of a superconducting flux qubit to an electron spin ensemble in diamond2011
Author(s)
X.Zhu, S.Saito, A.Kemp, K.Kakuyanagi, S.Karimoto, H.Nakano, W.J. Munro, Y.Tokura, M. S. Everitt, K.Nemoto, M.Kasu, N.Mizuochi & K.Semba
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Journal Title
Nature
Volume: 478
Pages: 221-224
DOI
Peer Reviewed
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