2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミレニアム津波ハザードの総合的リスクと被災後の回復過程の評価
Project/Area Number |
22241042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40213243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都司 喜宣 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30183479)
後藤 和久 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (10376543)
松本 秀明 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30173909)
越村 俊一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50360847)
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Keywords | ミレニアム歴史津波 / 貞観地震津波 / 東日本大震災 / 津波石 / 津波堆積物 |
Research Abstract |
貞観津波(869年)が来襲したとされる多賀城官衙南方の低地およびその南西に連続する沖積低地において簡易ボーリング調査を行い,貞観津波来襲時の地形復元作業を実施し,3200yrBPまでは潟湖として広大な水面が広がっていたガ示された,また,2400yrBPに頻発したと考えられる七北田川の大規模氾濫による土砂により潟湖は急速に埋積されて低湿地へと変化したことが示唆された.貞観地震津波により堆積物範囲から浸水域の分布を数値解析で推定し,2011年東日本震災における津波の浸水範囲と比較した。その結果ほぼ同規模の広範囲であるが,2011年の方が,1km程度広いことが示された.1771年明和大津波を記録した古文書を解析し,被害情報に基づき合計111地点の痕跡について,緯度経度,標高を高精度GPSにより計測した.その後,得られたデータについて信頼度判定を行い,その地点での津波浸水の有無を推定した.そして,各地で遡上高の上限値と下限値を推定することで遡上高を調べた.その結果,従来波源モデルの検討に用いられていた16地点の遡上高から,29地点に大幅に増加させることができた.さらに,西表島などのマングローブ林での堆積物を中心に年代測定を行い,明和大津波起源の津波堆積物のマングローブ林内での存在可能性を検討した.2011年東北地方太平洋沖地震津波の被災地における構造物の脆弱性についての総合的な解析を実施し,宮城県内の各行政区において得られた津波被害関数を比較すると共に,地域における海岸施設や植生の被害状況との関連で,地域の津波に対する脆弱性についての考察を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災後の今期は,実施困難であると考えていた,同規模の津波であると言われる貞観津波の実態調査のための現地調査が実現できた.また,明和津波について様々な史料や伝承などのデータを収集することが可能となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
現場での史料や測定結果を有機的に整理し,数値モデルによる解析結果と比較出来るように工夫することが肝要である.
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Research Products
(4 results)