2010 Fiscal Year Annual Research Report
海溝型地震、高潮災害による「長期湛水」被害に対する防災戦略の構築
Project/Area Number |
22241044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧 紀男 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40283642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
馬場 俊孝 独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波防災研究プロジェクト, 研究員 (90359191)
近藤 民代 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50416400)
鍬田 泰子 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50379335)
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Keywords | 南海地震 / 湛水被害 / 0m地帯 / 2004年インド洋地震津波 / 2005年ハリケーン・カトリーナ / 地盤沈降 / ライフライン / 復興 |
Research Abstract |
本年度は、海溝型地震、高潮災害による「長期湛水」被害に対する防災戦略の構築のための基礎的検討を行い、以下のような成果を得た。 1)地盤沈降に伴う「長期湛水被害」の推定手法の開発については、南海トラフで発生する地震に伴う地盤隆起・沈降のシミュレーションを実施する上での基礎情報となる断層モデルの推定、2004年インド洋地震による地盤沈降実績の検討を行った。 2)津波・高潮災害に伴う「長期湛水被害」の推定手法の開発については、漂流物の動きに関するシミュレーションモデルの開発を行った。 3)「長期湛水被害」後の「復旧期間」の推定手法の構築については、2004年インド洋地震津波災害を対象に津波災害後のライフラインの復旧プロセスの同定を行った。 4)「長期湛水被害」時の社会影響評価手法の開発については、2005年ハリケーンカトリーナ災害で大きな被害を受けたニューオリンズを対象に湛水被害後の社会の復興プロセスについての検討を行った。 5)「長期湛水被害」の防災戦略の構築については、津波・高潮に伴う長期湛水地域の住民の救出対策、長期避難生活支援のあり方について1958年伊勢湾台風、2005年ハリケーン・カトリーナ災害についての事例の分析を行うと共に、高知市を対象に南海地震後の湛水被害に関わる社会的影響の明確化、ならびに湛水被害に関わる緊急対応、応急対応、復旧・復興対策の明確化を実施した。湛水被害が発生しても通常の防災対策に加え、湛水被害対応が生じるだけでこれまでの対策を抜本的に見直す必要は無い事を明らかにした。
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Research Products
(7 results)