2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際連携による仏教学術知識基盤の形成 - 次世代人文学のモデル構築
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22242002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下田 正弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50272448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 俊典 国際仏教学, 大学院・大学仏教学研究科, 教授 (10123431)
宮崎 泉 京都大学, 大学院・人文社会学研究科, 准教授 (40314166)
MULLER Albert 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特任教授 (60265527)
鶴岡 賀雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60180056)
小野 基 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (00272120)
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Keywords | SAT / 仏教学 / Digital Humanities / 人文情報学 / Indo-Tibetan Lexical Resources / Dhammachai Pali Tipitaka / Japanese Association for Digital Humanities / RBIB |
Research Abstract |
本研究は、人文学分野でデジタル媒体における研究を先導する仏教学の国際的諸事業と、人文情報学Digital Humanities(DH)を媒介して連携し、仏教学が将来の知識基盤としうる「インド学仏教学リサーチベースResearch Base for Indology and Buddhology(RBIB)」を構築し、次世代人文学の知識基盤モデルを提示することを目的としている。4年計画の2年目にあたる平成23年度は、初年度に構築した研究体制と国際ネットワークを活用し、(1)RBIB構築のためのメンバープロジェクト(MP)諸問題の精査、(2)次世代人文学活動の基盤となる国内外のDH活動の啓発と推進をなした。(1)スタンフォード大学(6月DH2011)、大阪大学(9月JADH2011)でRBIB基本構想の発表、ハンブルク大学(7月)、東京大学(12月)でMP Indo-Tibetam Lexical Resources(ITLR)を開始(日欧研究者40人)、ダンマチャーイ研究所(7月バンコク郊外)でMP Dhammachai Pali Tipitaka電子聖典編纂事業を開始、MP Hobogirin Catalogue Project(College de France)を開始(11月東京)、MP Bukkyo Dendo Kyokai英訳大蔵経事業を開始(12月東京)、コア・プロジェクト(CP)SATの日本撰述部再訂作業を、全国9大学1研究所の協力を得て開始(12月東京)し、これらの事業を総括する研究集会を東京(3月)において開くとともに、オーストラリア圏DH学会で本年全体の活動成果を発表した(3月)。(2)RBIBの意義を広範な知識社会全体の文脈で理解するため,国際シンポジウム「デジタル化時代における知識基盤の構築と人文学の役割」を、イリノイ大学図書館情報学研究科長、国会図書館長等を招いて開催(11月)するとともに、カナダDH学会の研究者・国際DH学会会長の研究集会を開催(11月)した。これらの活動をとおし本研究は仏教学の範囲をはるかに超え、日本のDHにおいて重要な意味を持つプロジェクトとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、当初の計画どおりRBIB Member Project全体の事業が開始されたことに加え、Digital Humanitiesの活動を推進する重要な事業(12.の(2)に記載したもの)を進めることができた。これは当初の計画になかった成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の2年間は、すでに開始されたMember projectを推進してRBIBの具体像を確定するとともに、ドイツHalle大学・スライエ教授が運営するSouth Asia Research Documentation Service 3との連携を開始し、RBIBを日本の研究成果を中心とした知識基盤から、欧米の研究成果とも直接にとつながる知識基盤へと発展させる。ただRBIBの具体像は、本研究事業のみならず、世界各地のMPそれぞれの事業の状況に影響されるので、つねに時々の進捗状況を見極めながら、連携の優先順位を決定していかねばならない。
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Research Products
(25 results)