2011 Fiscal Year Annual Research Report
近代世界の自画像形成に作用する《集合的記憶》の学際的研究
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22242004
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岩崎 稔 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (10201948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾師 誠 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (20172926)
今井 昭夫 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (20203284)
工藤 光一 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (80255950)
金井 光太朗 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40143523)
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (20251564)
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Keywords | 哲学 / 思想史 / 脱中心化 / 歴史 / 文化史 / 集合的記憶 / 東アジア / 想起 |
Research Abstract |
平成23年度は、前年に行った研究成果に依拠して現地調査、資料収集、シンポジウムおよび研究会を開催した。 1.6月16日~6月19日、上海大学で開催された「東アジアの現代思想」会議で「東アジア記憶の場」について報告するために、岩崎稔を派遣した。東アジアの共通理解を、共通する集合的記憶の構築を通じて、より立体的に創造する可能性について議論した。 2.7月13日、東京外国語大学海外事情研究所において、Martin Grossheimによる"Contested Memory : Presentations of the Past in Vietnam"と題するベトナム戦争以降の記憶についての報告が行われた。 3.7月22日~7月25日、神戸で開催されたCultural Typhoon 2011,Counter-Nostalgia部会での報告・参加のためにMaja Vodopivec・簡宇敏・Dede Tete-Rosenthal(三名とも東京外国語大学大学院博士後期課程)および岩崎稔を派遣した。 4.10月20日~10月26日、ニューヨーク・コーネル大学で開催された「日本近現代史を書き直す-近現代日本にとっての市民社会を考える」シンポジウムでの報告・参加のために、岩崎稔、佐藤泉(青山学院大学)、柳忠煕(東京大学大学院博士後期課程)、申知瑛(津田塾大学)を派遣した。 5.12月15日~12月20日、近代沖縄での《集合的記憶》の形成について研究調査のため、キムウネ(東京外国語大学大学院博士後期課程)を沖縄に派遣した。 6.2012年2月19日~3月4日、玉村健志(東京外国語大学海外事情研究所研究員)を国連平和維持活動に関する集合的記憶の再構築研究・調査のためにニューヨークに派遣した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度から平成23度にかけて行ってきた仮説構築作業を継続すると同時に、多様な地域と時代における集合的記憶の具体的事例研究を進めており、それらから集合的記憶の二機能論を検証する足場を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
集合的記憶論の最先端の理論的成果を整理するとともに、多様な地域と時代における集合的記憶の具体的事例を読解し、記憶の機能を解明するという目的を達成するために、現在事例を集め、そこから集合的記憶の二機能論、すなわち集合的記憶が排他的側面と脱中心化する側面をともにもつという理論を提示する作業を行っている。今後は、特に、東アジア・東南アジア文化圏における「自画像」を取り上げて、それらを再叙述し、そのなかで作用する「集合的記憶」の動態解明に焦点を当て、二機能論を検証する予定である。そのために、韓国、中国、台湾、香港、アメリカ、カナダといった環太平洋地域の研究者および国内研究者との交流を深めつつ、継続して研究を行っていく。
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Research Products
(15 results)