2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22242024
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関根 達人 弘前大学, 人文学部, 教授 (00241505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎森 進 東北学院大学, 文学部, 教授 (10145972)
菊池 勇夫 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20186191)
中村 和之 函館工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (80342434)
北野 信彦 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存修復科学センター, 室長 (90167370)
深澤 百合子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (90316282)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 蝦夷地 / アイヌ / 和人 / 内国化 / 交易 / 国際研究者交流 / ロシア連邦サハリン州 / 石造物 |
Research Abstract |
(1)サハリン(旧樺太)への和人の進出について、幕末の古絵図や明治初期に作られた死亡人名簿などから調査を行い、2本の論文にまとめ発表した。(2)蝦夷地の近世石造物調査を終え、それを元に論文「近世石造物からみた蝦夷地の内国化」を執筆、『日本考古学』に投稿し、査読の結果、2013年10月刊行の36号に掲載が決まった。(3)函館・江差町内の近世墓標・石造物調査を終え、報告書を作成。報告書は平成25年6月に刊行予定である。(4)サハリン州立郷土誌博物館とサハリン大学考古学・民族誌研究所所蔵のサハリン島から出土した日本製品の調査(写真撮影・実測・簡易蛍光X線分析装置による材質分析)を行った。成果の一部は2013年10月刊行予定のサハリン州立郷土誌博物館の紀要20号に、共同研究を行っているサハリンのロシア人研究者と連名で発表する予定である。(5)介川東馬日記等の秋田藩の蝦夷地出兵関係資料の翻刻原稿の校訂と補足調査、斎藤勝利資料をはじめとする弘前藩の蝦夷地関係資料の検討と翻刻原稿の校訂・補足調査を実施した。(6)仙台藩が幕府から引き継いだ、国立公文書館内閣文庫所蔵『庚申万延元年蝦夷地御領分御引受留』(ネモロ、アッケシ、エトロフ、クナシリ、トカチ、シラオイの各場所)に着目し、その他の史料も合わせ、和人の活動やアイヌの人々についての諸データをパソコンに入力し、まとめの作業に備えた。(7)蝦夷地に渡ってきた金属製キセルの生産地の解明を目的として研究をおこなった。特に、補強帯のついた古い形のキセルが本州のどの地域から、どのような経路をへて蝦夷地に到達しているかを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4カ年計画の3年が過ぎ、最終年の1年を残す現段階で、当初の研究目標の約70%を達成したと考えられる。75%に到達していないのは、平成24年度に刊行するはずだった「函館・江差の近世墓標・石造物」の調査報告書が年度内に刊行できなかったからであるが、すでに原稿はできており、新年度早々に刊行が可能な状態となっている。 最終年度に当たる平成25年度に予定している国際シンポジウムの開催と総括報告書の刊行にむけた準備も進んでおり、全体としては順調な進み具合といってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成25年10月に、今回の研究プロジェクトにかかわるすべての分担者ならびに連携研究者と、研究協力協定を結んだロシア連邦サハリン州の州立郷土誌博物館・サハリン大学考古学・民族誌研究所の研究者が共同で、研究課題である「中近世北方交易と蝦夷地の内国化」をテーマとした国際シンポジウムを開催する予定である。 2.サハリンでの調査内容の一部を平成25年10月に刊行されるサハリン州立郷土誌博物館の紀要20号に、ロシア側の共同研究者と連名で発表する予定である。 3.1のシンポジウムの内容を基礎に、平成25年度末までに今回の研究に関する総括報告書を刊行する予定である。
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Research Products
(14 results)