2010 Fiscal Year Annual Research Report
公正取引市場の実現を目的とする消費者の集団的利益救済・予防システムの総合的構築
Project/Area Number |
22243007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千葉 恵美子 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70113587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 將文 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90345835)
林 秀弥 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (30364037)
丸山 絵美子 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80250661)
酒井 一 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70248095)
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Keywords | 集団的消費者利益 / 経済的不利益賦課制度 / 公法・私法協働論 / 集合訴訟制度 / 適格消費者団体 / 消費者団体訴訟制度 / 消費者法 / 競争法 |
Research Abstract |
本研究は、消費者に集団的に発生する財産的被害について、公正・簡便で時宜を得た効果的な紛争解決及び救済システム・予防システムを構築することを目的としている。平成22年度は、消費者被害事例を整理し、民事実体法・経済法・行政法の法領域からみた場合に、現行制度にどのような限界があるのか、また、いかなる点に理論的に解明するべき課題があるのかを抽出することを中心に研究を行った。 具体的には、以下の点から研究を推進した。第1に、消費者被害に関連する下級審裁判例を整理し、また、学際的共同研究の準備的作業として、経済法・民事実体法・民事手続法を中心に各領域における集団的消費者被害関連の邦文文献リストを作成した。第2に、現行の救済・予防制度の限界と問題点を明らかにするために、実務の担当者から実際の紛争事例などに則して「消費者行政の現場から見た消費者法・政策の課題と展望」「適格消費者団体の活動と今後の課題」についてご報告いただき、討議を行った(全体研究会2回・3テーマ・報告者5名)。第3に、理論的課題を明らかにするために、「消費者行動からみた消費者被害救済」「コンプライアンス促進と被害救済-不当収益剥奪の2つの道」「フランス・イタリア消費者団体訴訟法の最近の動向」「フランス消費者法の最近の動向」をテーマとする全体研究会を開催した(全体研究会2回・4テーマ・報告者4人)。 また、上記の全体研究会と並行して、世界的にみて手続法からのアプローチに比べて研究が進展していない実体法からのアプローチのしかたについて分担研究者間で討議を行い、第1に、公法(競争法・行政法)と私法(民法・消費者私法)から学際的分析をするためには、(1)差止請求権、損害賠償請求権,利益はく奪請求権、課徴金の賦課など効果からの分析よりは、要件論の分析、特に、(1)「法的利益」(集団的「被害」ではなく、集団的「利益」)と(2)「違法性」「不当性」の観点からの分析を行う必要があること、第2に、集団的消費者利益を実現するために、公法・私法の双方の基礎理論にどのような変化をもたらす可能性があるのかについて検討を行った。
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Research Products
(21 results)
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[Book] 経済法2010
Author(s)
泉水文雄 土佐和生 宮井雅明 林秀弥
Total Pages
400
Publisher
有斐閣