2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本型福祉・雇用レジームの転換をめぐる集団政治分析
Project/Area Number |
22243011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮本 太郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00229890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
山口 二郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70143352)
篠田 徹 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60196392)
山崎 幹根 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (30295373)
空井 護 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (10242067)
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Keywords | 政治学 / 比較政治 / 民主主義 / 利益集団 / 集団政治 / 社会保障改革 / 税制改革 |
Research Abstract |
研究実施計画にもあるように、研究計画2年目である平成23年度は、「現状分析フレームワークを基礎として、日本型福祉・雇用レジームの変容についての分析をすすめ」ること、具体的には「制度変容分析」「先進工業国の利益集団政治の基本動向」「団体調査」について調査と研究をおこなうことが課題であった。第一に「制度変容分析」については、6月23日にセミナー「成長なき時代の国家を構想する」をおこない、成長戦略の転換という観点から、7月23日は内閣府の政策統括官を招いてシンポジウム「安心社会への社会保障改革」を開催し、社会保障と税の一体改革という視点から、日本型福祉・雇用レジームの転換を検討した。また、11月18日には公共事業の変容をめぐって、12月22日には地域の若年層雇用についてセミナーを開き、レジームの変容を考えた。第二に「先進工業国の利益集団政治の基本動向」をめぐっては、9月15日にスコットランドのアバディーン大学からグラント・ジョーダン教授、ポール・キアニー専任講師を招聘したワークショップ「現代イギリス政治の諸相」をおこない、イギリスにおける政策過程の実態とその変容、とくに分権化の影響にについて議論をした。2月18日は、日本学術会議政治学委員会との共催でソウル大学からチョー・ホンセク福祉学部長とアン・サンフン准教授の報告を軸としたシンポジウム「日韓福祉政治の新しい展開」を開催、福祉・雇用レジームと福祉政治の日韓比較をすすめた。さらに3月22日にはストックホルム大学からサイモン・ビュルンボウム博士を招いてのワークショップ「北欧福祉国家とベーシックインカム」をおこない、北欧福祉国家における所得保障政策の転換を検討した。第三に、「団体調査」については、研究分担者による個別調査について、2月23日に全体会合をおこなって集約し、併せて最終報告書の骨格についての議論を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には当初の研究計画に沿って順調に進展している。とくに、分析的・規範的フレームワークについての議論、日本型福祉・雇用レジームの変容についての検討、さらに先進諸国の利益政治の比較分析については、一般の市民や学生にも公開したセミナー、シンポジウム、ワークショップを当初計画より高い頻度でおこない分析を深めてきた。そのようななかで、日本のレジーム変容がが利益政治変容の転換を帰結し、また利益政治の転換がレジーム変容を促進している実態が明らかになりつつある。他方で各団体分析については、その集約をより積極的にすすめ、制度・政治変容についての分析とリンクしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も、当初計画に沿って、他レジームの調査や自治体調査へと対象を広げつつ研究をすすめる。研究分担者による個別の調査や団体分析をプロジェクト全体の進行に反映させながら、本プロジェクトを構成する制度変容分析、利益集団分析、団体戦略分析の諸要素をより緊密に連携させていく。
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Research Products
(44 results)