2012 Fiscal Year Annual Research Report
現代アジアの家族変容と福祉レジームに関する国際共同研究
Project/Area Number |
22243039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 恵美子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 英二 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (20335334)
上野 加代子 徳島大学, その他の研究科, 教授 (50213377)
大和 礼子 関西大学, 社会学部, 教授 (50240049)
押川 文子 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (30280605)
ポンサピタックサンテ ピヤ 長崎県立大学, 国際情報学部, 准教授 (60555481)
青山 薫 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (70536581)
姫岡 とし子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80206581)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アジア / 家族 / 労働 / 移動 / 政策 / メディア / レジーム / 家族主義 |
Research Abstract |
本研究は、家族、労働、移動、政策、メディアという5つの研究領域を設け、各領域が海外研究協力者と国際共同研究を実施し、その成果を総合するというかたちで運営している。 (1)家族領域では、マレーシア、カタール、インドにおいて実査を行い、データのクリーニングを進めた。並行して、タイとベトナムのデータの分析結果を各種の学会で発表した。特にアジアのケア供給の多様性と変化についての比較分析の成果を韓国、中国に招聘されて発表した。 (2)労働領域では台湾と韓国の共同研究者とデータを分析し、京都大学のワークショップで研究成果を相互に検討した。年度末までに草稿を仕上げ、失業、雇用の不安定性、階層帰属意識、性別職域分離、ライフコース、自殺と労働政策といった問題について、東アジアの特徴を国際比較により浮き彫りにした。社会階層に焦点を当てその特徴を明らかにできたことは意義がある。 (3)移動領域に関しては、アジアにおける地域統合と人権概念の構築、家事労働者や性労働者の労働者性、移民の定着プロセスにおける親密圏の構築などに焦点を当てて研究を進めた。再生産労働に従事する移民は従来の労働移民と相違点があることが明らかにされた。 (4)政策領域では、東アジアの福祉国家研究が活発化しているが、比較基準を欠く各国記述が多い。そこで政治経済学観点から、日本、韓国、台湾という三つのレジームに対象を絞り、家族主義的といわれる福祉レジームがグローバル化や高齢化の中で、どのように変容しているか検討した。 (5)メデイア領域については、日本、韓国、台湾、中国、タイなどのメデイアに映し出された親密圏や家族を対象に、そこに映し出された親密圏・家族イメージの比較研究を実施した。その成果の一部は、英語と日本語での出版に向けて執筆を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各領域については計画以上に進展し、論文と口頭での成果発表の段階に入っているが、領域間連携のための合同研究会の開催は日程の都合から思うように実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、各研究領域の知見を持ち寄った合同研究会を開催し、更なる総合化を進める。
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Research Products
(45 results)