2012 Fiscal Year Annual Research Report
大規模継続データの構築を通した大学生の認知的・情緒的成長過程の国際比較研究
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22243047
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 拓也 九州大学, 基幹教育院入学者選抜方法開発部, 准教授 (40452304)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 学生調査 / 国際比較 / データベース / JFS(新入生調査) / JCSS(大学生調査) / IR / 国際ラウンドテーブル |
Research Abstract |
1.2011年に引き続き、大学生調査と新入生調査、短期大学生調査を分析し、学会発表および論文投稿を行っている。平成24年度は、日本版大学生調査(JCSS2012)を58大学・学部、5780人の学生対象に実施した。内容については、現在分析中である。また、平成23年度に実施した大学生調査については、主に日本教育社会学会、AIR等国際会議上で発表し、海外ジャーナル誌にも投稿している。 2.データベース班によるデータベースがほぼ完成段階に入った。その際、平成23年度に実施するはずであったニーズ調査を新たな知見を加えるために実施を延長した。ニーズ調査は、オンライン上および紙ベースで2012年10月から12月にかけて実施し、過去の一連の調査に参加した4年制大学267大学・学部に送付し50大学・学部から回答を得た。その結果および得た新たな知見を反映して、参加大学がより使いやすいデータベースの基本設計を完成することができた。 3.2012年2月に実施した第二回国際ラウンドテーブルでの発表論文を発表論文集としてまとめ、発行した。論文集は、157頁からなり、論文集タイトルは、『Quality in Higher Education:Adapting to Meet the Challenges of the Globalization Era』である。 4.国際班としては、2013年2月に第三回国際ラウンドテーブルを同志社大学で実施した。海外から著名な研究者4名(ハワイ大学East-Westセンター教授Deane Neubauer、リバプール・ホープ大学教授Roger Brown、ソウル国立大学准教授Jung C. Shin、台湾政治大学教授Prudence Chou)を招待講演者として招聘し、日本からは、科研メンバー2名と2名の研究者を招聘し、本研究課題に関する研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.学生調査については当初の計画通りに順調に進展している。特に、昨年度は念願の海外との国際共同研究の基盤を構築できた。すなわち、日本版大学生調査を韓国語に翻訳して、韓国の大学生5000人以上を対象にした韓国版大学生調査(KCSS)が2012年11月に韓国の共同研究者を中心に実施された。本研究と日本での研究の比較研究は、2013年5月のアメリカで開催されるAIRにおいて本研究代表者(山田礼子)と韓国側の代表者(ヨンセイ大学李准教授)によって発表する予定となっている。また、短期大学基準協会との連携により進めてきた短期大学生調査については、参加短期大学へのサービス向上の視点からフィードバックへとつなげることができ、この成果についても学会、論文等で発表されている。その意味で、学会発表、論文発表および著書発刊等は当初の計画以上に進展している。 2.データベース構築については、当初平成23年度に実施する予定であったニーズ調査を平成24年度に延長したが、その結果、新たな知見をデータベース構築に反映することができた。先日、おおよそ出来上がったデータベースが披露されたが、かなり使いやすく、自動的に統計処理およびグラフ化ができるなど、質の高いデータベースが構築されている。 3.国際ラウンドテーブルは、当初の小規模の研究会から国際的な会議へと進展し、2013年3月に第三回国際ラウンドテーブルを実施したことにより、連続して、日本高等教育学会からの後援あるいは共催という形で3年に渡っての国際会議を具現化することができた。その際の発表論文も過去2回にわたって、論文集として編集することができた。今年度は、第三回ラウンドテーブルの論文を論文集として発刊する予定であり、将来的に英語による編著としての出版への可能性が拓けた。こうしたことから、当初の計画以上に進展していることから、上記の評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 今年度以降は、平成24年度に実施された韓国との共同研究を緒に、国際共同研究の拡大を図る。具体的には、韓国の共同研究者と共同で2013年5月にアメリカ・ロングビーチで開催されるAIRで研究成果を発表するが、その際にアメリカとの国際共同研究計画についてもアメリカ側の研究者も参加して打ち合わせを行う。もともと、日本版大学生調査および日本版新入生調査は、UCLAの高等教育研究所(HERI)が実施していた一連の調査を日本型として開発し実施してきたものであるが、アメリカの共同研究は今までのところ実施することはできていなかった。韓国との共同研究が実施されたこともあり、日米韓という3か国による大学生調査の比較研究の実質化と具体化を図り、進め、次年度以降の研究へとつなげていく。2. データベースについては、平成24年度までにおおよその基本設計が出来上がっているが、今年度以降は、参加大学がより簡便に利用しやすいようなデータベース構築を目指してその実質化を図る。さらには、研究者にとっても利便性の高い統計処理が行えるようなデータベースの構築を目指し、次年度以降の研究へとつなげる。3.過去3年間行ってきた国際ラウンドテーブルを国際会議として行うために、海外の研究センターとの連携を図るための計画を具体化する。具体的には、ハワイ大学のEast-Westセンターとの連携により高等教育に関する国際会議を開催していくための具体化を進展させる。4.過去3年間の国際ラウンドテーブルの論文集を次年度以降は英文編著として発刊すべくその準備を進展させる。5.これまで同様、研究成果を積極的に論文、学会発表していくが、今後はさらに海外ジャーナルへの投稿の機会を増加し、海外での日本版学生調査の認知度を高める努力と実質化を図る。
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Research Products
(26 results)