2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平地 健吾 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60218790)
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Keywords | 乗数層イデアル / ベルグマン核 / 値分布論 / 放物型幾何 / 等質有界領域 / ケーラー多様体 |
Research Abstract |
本年度は次の3つの研究集会を開催した.多変数関数論京都シンポジウム(7月)では本研究に関連する分野の第一線で活躍する世界的な研究者を多数迎え,国際的な研究交流を行った.発表内容は,代数幾何学や微分幾何学に隣接する話題,力学系,多変数関数論の伝統的テーマ等,多彩であった.その他に,若手によるショートコミュニケーションの場を設けた.全参加者数は110名以上であり,日本を含め9カ国からの参加があった.ベルグマン核ワークショップ(10月)では外国人6名を含む若手研究者20名を集め,解析,幾何,表現論などの研究方法の情報交換を行った.多変数函数論冬セミナー(12月)では複素解析の国内の研究成果の発表を行った. 代表者および連携研究者の研究の進展状況は以下の通りである.平地健吾はCR多様体上の不変微分作用素の分解定理の研究を進めた.山口佳三は2階の接触幾何学の研究を継続した.野口潤次郎は値分布理論の研究を進め,複素多様体への有理型写像の値分布にケーラー性の特性が現れる現象を初めて発見した.山ノ井克俊はアーベル多様体の第二主要定理の精密化に関する研究を継続した.伊師英之はワラック集合の定義を一般の有界等質領域に拡張し構造を完全に決定した.辻元はケーラー・リッチ流の大域特異解の存在と一意性を証明し、それが射影族の上で半正値性を保存することを証明した。満渕俊樹はDonaldson-Tian-Yau予想の解決を念頭におきテスト配置の概念の一般化を研究した.大沢健夫はGunning-Narasimhanの定理の精密化を与えた。高山茂晴は負曲率のKaehler-Einstein多様体族の底空間の曲率の研究を行った.奥間智弘はスプライス商特異点の幾何種数の公式の研究を進めた.本多宣博は4次元多様体上の代数的なツイスター空間の分類の研究を継続した.吉川謙一はBorcherdsΦ関数の代数的表示を求めThomae型公式を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究集会の運営の世代交代は順調に進んでいる.特に吉川謙一が主催した京都シンポジウムは例年を大きく超える国内外の参加者を集め,活発な議論が行われた.連携研究者は多数の口頭発表を行っており,研究の着実な進捗を示すものである.
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Strategy for Future Research Activity |
若手研究者を中心として大規模な国際研究集会およびテーマを絞ったワークショップを開催する.これまでの研究集会の主要な世話人であった野口潤次郎教授(東京大学)が定年になるため,2012年度から奥間智弘准教授(山形大学)を連携研究者に加え,研究集会の企画運営に参加してもらうこととした.
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Research Products
(64 results)