2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川島 秀一 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (70144631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隠居 良行 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (80243913)
中村 徹 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教 (90432898)
小川 卓克 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20224107)
池畠 良 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10249758)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 緩和的双曲系 / Timoshenko 系 / 消散型波動方程式 / 消散構造 / 時間大域解 / 減衰評価 / 拡散波 |
Research Abstract |
非線形偏微分方程式系の消散構造を解析し、対応するエネルギー減衰構造を決定するとともに、そこに現れる非線形波動の安定性解析についての新理論の構築を目指して研究を行い、次のような成果を得た。 1.緩和項を持つ双曲型保存系の初期値問題を考察した。この系に対して、エントロピーの存在と川島条件で定式化される消散構造の仮定の下、通常の Sobolev 空間での大域的可解性と安定性は知られていた。その結果を臨界正則指数の Besov 空間の場合に拡張することに成功した。最新の実解析的手法が、一般の双曲系に対しても有効であることを明らかにした点に意義がある。 2.Fourier 型の熱拡散効果を考慮した Timoshenko 系の初期値問題を考察した。その消散構造は、消散的 Timoshenko 系の場合とは異なる新しい型の可微分性損失型であることを確かめた。また、対応する最良の減衰評価を証明することで、その減衰構造が極めて脆弱であることを示した。可微分性損失型の消散構造の数学解析に寄与する成果である。 3.Cubic double dispersion equation と呼ばれる4階の波動型偏微分方程式の初期値問題を考察した。この非線形問題の時間大域解の存在と最良の減衰評価は既知であったが、空間1次元の場合に、その解が時間無限大において、粘性 Burgers 方程式の自己相似解で表される拡散波の重ね合わせで漸近近似されることを明らかにした。非線形安定性解析に寄与する成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の最重要課題である「新型の可微分性損失型消散構造」について、新たな知見が得られた点が大きい。同時に、その応用に関して多くの個別の成果をあげることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、今後も当初の計画通り研究を進める予定である。
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Research Products
(39 results)