2010 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系外惑星の大気分光精査に向けた極低温デフォーマブルミラーの開発
Project/Area Number |
22244016
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
塩谷 圭吾 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・赤外・サブミリ波天文学研究系, 助教 (40392815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴雄 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・赤外・サブミリ波天文学研究系, 教授 (20202210)
小谷 隆行 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・赤外・サブミリ波天文学研究系, 宇宙航空プロジェクト研究員 (40554291)
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Keywords | デフォーマブルミラー / 波面補償 / 系外惑星 / コロナグラフ / 赤外線 |
Research Abstract |
本研究の目的は、系外惑星の直接観測による大気分光という重要課題にのぞむため、赤外線宇宙望遠鏡に搭載する極低温デフォーマブルミラーを開発実証することである。本応募研究によって、惑星観測に特化した観測装置(分光機能つきコロナグラフ)を赤外線宇宙望遠鏡SPICAに搭載するために必要とされる挑戦的な技術開発実証がすべて完了し、晴れて搭載が可能となる。この観測装置が実現すれば、その能力はSPICAの打ち上げが予定される2018年においても無二の競争力を持つ。その結果、系外惑星系の形成進化を直接観ることで、惑星系に関する理解は飛躍的に高まることが期待できる。さらに生命兆候の検出にも挑む。本研究は、その実現のためのクリティカルな要素である。 今年度はまず、MEMS製法で制作したデフォーマブルミラーのチップ部と、基板、回路系を接着する方法について、数値計算および試作にて探究した。試作ではコストを考慮し配線は行わず、冷却変形の評価を集中的に進める方針をとった。これは、極低温に冷却したさいの熱歪の影響を抑える上で必須のステップである。また、極低温に冷却したデフォーマブルミラーの鏡面形状を測定する真空チャンバーの開発を進めた。このチャンバーは機械式冷凍機を採用し、液体窒素、ヘリウムなどの冷媒を必要とせず、電気的な駆動のみで冷却可能である。また、4方のどこからでもパネル上のフランジを取り外すことで内部にアクセスできる。これらのことによって、実験の効率を従来の方式にくらべて大幅に高めることができる。真空・冷却試験において、10K以下という、要求を満たす冷却性能を確認できた。
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Research Products
(4 results)