2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
藤井 恵介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30181308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 均 東北大学, 理学研究科, 教授 (00333782)
高橋 徹 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (50253050)
岡田 安弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
兼村 晋哉 富山大学, 理工学研究部(理学), 准教授 (10362609)
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Keywords | 素粒子実験 / 素粒子理論 / 計算物理 |
Research Abstract |
素粒子物理学における最も緊急の課題は、「ゲージ原理」と並び立つ標準模型の2本柱のうち未検証の片方、「電弱対称性の破れと質量生成機構」を解明し、テラスケールにある新しい物理の扉を開く事にある。「電弱対称性の破れと質量生成機構」、LHCからの「新しい物理のヒント」に即応するための物理検討をA、B、2グループに別れて検討した。 「グループA」: ここではヒッグス粒子と様々な粒子との結合定数の測定(分岐比測定、自己結合、トップ湯川結合の測定)が鍵となる。そこで、まず、e+e-→ZH(分岐比);ZHH(自己結合);ttH(トップ湯川);γγ→HH(自己結合)の4つの過程についてイベントジェネレータを独自開発した。また、ジェット・クラスタリングにバーテックス情報を用いる新しい解析法開発に着手し、b-クォーク同定性能を大幅に改善した。これらを用いて、分岐比、自己結合、トップ湯川結合の測定シミュレーションを行い、中間結果を国際会議で発表した。また、ヒッグス自己結合への標準理論を超える物理の影響を理論的に検討し結果を学術雑誌に投稿、掲載された。これは、今後の自己結合測定のシミュレーション研究の基礎となる。 「グループB」: LHCでの早期発見が期待できる準安定な超対称荷電粒子スタウの解析、暗黒物質候補がみつかった場合に可能な模型をどう見分けるかを当面の主要課題とし、超対称性、余剰次元模型、リトル・ヒッグス模型、ダーク・ヒッグス模型、ヒッグス・ポータル模型など様々な可能性を考慮しつつ、簡易シミュレータによるシミュレーション研究を中心に検討した。国際会議で発表した中間結果は、模型に依存しない暗黒物質の仕分け可能性を始めて示したものである。また、LHCでは研究が難しいと考えられるTeV スケール・シーソー模型における重い右巻きニュートリノの探索/研究についてシミュレーション研究を行い結果を学術雑誌に投稿、掲載された。
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Research Products
(14 results)