2010 Fiscal Year Annual Research Report
光格子中超低温イッテルビウム原子気体を用いた量子凝縮相の研究
Project/Area Number |
22244050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 京都大学, 理学研究科, 教授 (40226907)
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Keywords | 量子縮退 / BEC / フェルミ縮退 / レーザー冷却 / イッテルビウム |
Research Abstract |
イッテルビウム原子を3次元光格子に導入してハバードモデル量子シミュレーション実験を行った。特に、ボース・フェルミ同時モット状態を生成し、斥力系では、SU(6)のスピン対称性を持つフェルミオンの冷却効果(ポメランチュク冷却)が働くことを明らかにした一方、引力系では、ボソンとフェルミオンからなる様々な複合粒子が生成されて、その結果、有効的な粒子数が減少し、格子中での温度が高くなることを観測し説明することに成功した。また、原子間相互作用を制御することは様々な量子相を発現するのに重要な要素であり、その開発を行った。特に、p-波の相互作用を光で変化させる方法を開発した。具体的には、二つの、p-波に関する光会合共鳴を用いて、一方を相互作用変調用に強励起して、もう一方を相互作用の変化のモニタ用として用いて測定を行い、特徴的な非対称な振る舞いを観測することに成功した。また、これに関連して、低温と比較的高温で、光会合スペクトルを広スペクトル範囲で測定し、その振る舞いからs-波共鳴およびp-波共鳴を同定することに成功した。また、光格子中で、高強度の光会合レーザーを照射することにより、光格子間のトンネリングを抑制する現象、いわゆる量子ゼノ効果に関する実験を行った。その結果、ほぼ期待される振る舞いを観測することに成功した。また、全く新しい量子混合系として、イッテルビウムをリチウム原子の混合系を生成することに成功した。これは、近藤格子モデルの検証や、協同ポメランチュク冷却による量子磁性実現の可能性を開くものとして、大変重要な成果である。
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Research Products
(28 results)