2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体・絶縁体界面における分子構造とキャリアダイナミックスの解明
Project/Area Number |
22245001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 吉泰 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70181790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 純一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20371289)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 表面・界面 / 非線形分光 / キャリアダイナミックス / 電界効果トランジスタ / 変調分光スペクトル / 正孔 / 電荷移動度 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、比較的弱い連続光による有機半導体・絶縁体界面に注入されたキャリアのゲート電圧変調分光スペクトル(CMS)を反射型の配置で精度よく測定した。 今年度は、ジナフトチエノチオフェン薄膜を用いた電界効果トランジスタに焦点をあて、系統的な測定を行った。ルブレン単結晶とは異なり、このデバイスは100 nm程度の薄膜としたのでデバイスを構成する多層膜内での多重反射による干渉効果による強度変調はほとんど観測されることはなかった。ジナフトチエノチオフェンに比べて、アルキル鎖を導入したアルキルジナフトチエノチオフェンはより高い電荷移動度を示すため、アルキル鎖の鎖長の異なる試料について電荷移動度とCMSを測定した。その結果、1.8 eV付近から立ち上がるホールの吸収スペクトルを得ることができた。アルキル鎖のないデバイスではホールの吸収スペクトルにわずかに振電構造が見られたのに対して、アルキル鎖を導入したデバイスではまったく振電構造は観測されなかった。また、アルキル鎖の長さをC8からC12まで変化させたところ、スペクトルの立ち上がりがより低エネルギー側にシフトし、高エネルギー側に顕著に吸収強度が増大することが明らかとなった。 そこで、Holsteinモデルに基づいたシミュレーションによる検討を行い、スペクトル形状のアルキル鎖長依存性を含めてスペクトル形状の定性的な理解に至った。X線回折によればアルキル鎖を導入することにより、ジナフトチエノチオフェン分子の面間の配置がより揃うように配列することが分かっている。したがって、このスペクトル変化は、アルキル鎖の導入に伴ってトランスファー積分が増大し、非局在性が強くなったことが起源であると結論した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] High-performance organic transistors with high-k dielectrics: A comparative study on solution-processed single crystals and vacuum-deposited polycrystalline films of 2,9-didecyl-dinaphtho[2,3-b:2’ ,3’-f]thieno[3,2-b]thiophene2012
Author(s)
W. Ou-Yang, T. Uemura, K. Miyake, S. Onish, T. Kato, M. Katayama, M. Kang, K. Takimiya, M. Ikeda, H. Kuwabara, M. Hamada, and J. Takeya
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Journal Title
Appl. Phys. Lett.
Volume: 101
Pages: 223304-5
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 電荷変調分光による有機半導体・絶縁体界面に注入された正孔の非局在化の観察2013
Author(s)
宮田 潔志, 田中駿介, 杉本敏樹, 渡邊 一也, 三輪 一元, 植村 隆文, 姜明辰, 瀧宮和男, 桑原博一, 濱田雅裕, 竹谷 純一, 松本 吉泰
Organizer
日本化学会年会
Place of Presentation
草津市
Year and Date
20130322-20130325
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[Presentation] ジナフトチエノチオフェン薄膜・絶縁体界面に注入されたホールの電子吸収スペクトルにおける分子集合構造依存性2012
Author(s)
宮田潔志, 石野雄太, 杉本敏樹, 渡邊一也,三輪一元, 植村隆文, 姜明辰, 瀧宮和男, 桑原博一, 濱田雅裕, 竹谷純一, 松本吉泰
Organizer
表面・界面スペクトロスコピー
Place of Presentation
吹田市
Year and Date
2012-12-07
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[Presentation] ジナフトチエノチオフェン薄膜トランジスタ中のキャリアの吸収スペクトルにおける分子集合構造の影響2012
Author(s)
宮田潔志, 石野雄太, 杉本敏樹, 渡邊一也,三輪一元, 植村隆文, 姜明辰, 瀧宮和男, 桑原博一,濱田雅裕, 竹谷純一, 松本吉泰
Organizer
分子科学討論会
Place of Presentation
東京都
Year and Date
2012-09-18
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