2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミリケルビン・マイクロ4端子プローブ法の開発とモノレイヤー超伝導の探索
Project/Area Number |
22246006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00228446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (30451818)
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Keywords | 超伝導 / マイクロ4端子プローブ / モノレイヤー / 表面電気伝導 / 表面超構造 |
Research Abstract |
今年度は、本研究のメイン装置である「ミリケルビン・マイクロ4端子プローブ」装置を、(株)ユニソクと共同開発し、建設が完了した。設計には、実験室天井高の制限による装置分解2段階ベーキング、超伝導マグネット・ボーア径の制限によるマイクロ4端子プローブの縮少化、プローブ位置観察不能のための自動アプローチ制御コントローラの開発の3つの新しい要素を取り入れた。装置導入後、次に述べる所期性能の確認試験を行った。 (1) 超高真空環境:装置組み立て後、ベーキングを行い、10の-10乗Torr以上の超高真空環境が実現していることを確認した。2段階ベーキング操作も設計通り良好に動作することを確認した。 (2) 超低温:液体ヘリウム3が入手不可能なので、液体ヘリウム4のみで冷却実験を行い、0.8Kまで冷却できることを確認した。この到達温度は、本研究の目的としているモノレイヤ超伝導の検出には十分である。 (3) 磁場印可:超伝導マグネットを駆動し、7Tの磁場印可を確認した。 (4) 試料作成:RHEEDを用い、試料作成室において、所望の結晶表面構造および超薄膜を作成できることを確認した。 (5) 測定コントローラ系:試料の電流電圧特性測定のための測定系を自作し、ダミー抵抗を用いて所期性能を確認した。また、プローブの自動アプローチ制御のためのコントローラを自作し、正常な動作を確認した。 (6) マイクロ4端子プローブ:既存のマイクロ4端子プローブは超伝導マグネットのボーア径に比べて大きすぎてこの装置に装着できないため、既存のプローブを改良して縮小化し、この装置専用のプローブを製作した。 縮小・改良されたマイクロ4端子プローブの製作は、(株)ユニソクのワイヤボンディング装置でしか行えないので、プローブの安定供給に制限があるが、継続的に供給が可能な体制を今後整える。装置の所期性能が確認されたので、これからは、マイクロ4端子プローブによる実際の試料の測定実験を早急に開始する予定である。特に、シリコン結晶表面上に形成される単原子層のインジウムや鉛の超伝導の有無を早急に確認したい。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Electron compound nature in a surface atomic layer of two-dimensional hexagonal lattice2010
Author(s)
I.Matsuda, K Kubo, T.Hirahara, S.Yamazaki, W.H.Choi, H.W.Yeom, H.Narita, Y.Fukaya, M.Hashimoto, A.Kawaauso, S.Hasegawa, K.Kobavashi
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 82
Pages: 165330-1-165330-6
Peer Reviewed
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