2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザインサイジングによるスギ耐火集成材および耐火面材の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22248019
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
服部 順昭 東京農工大学, 農学研究院, 教授 (90115915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 恵介 東京農工大学, 農学研究院, 助教 (70262227)
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Keywords | 高性能レーザ / 建築構造・材料 / インサイジング / 耐火集成材 / 木造建築物 |
Research Abstract |
レーザの納期が9月末と遅く、設置予定の実験棟に申請時には無かった耐震工事が入ったこと、耐火集成材のラミナ調達が予定通り進まなかったことから、試験体の試作が大幅に遅れた。さらに、市販の耐火製品の偽装が次々に明らかになった時点で、抜き打ち検査のために、国土交通省が公的試験機関の耐火炉をほぼ全て予約したことから、耐火試験が実施できなくなり、経費の一部を次年度に繰り越す手続きを取った。 (協)遠野グルーラムにて調達したスギラミナに22年度の購入設備であるスラブCO_2レーザを用いて、ラミナの厚さ方向と幅方向にインサイジングを行い、遠野グルーラムにて難燃薬剤の注入、乾燥、幅はぎを行った。その後、銘建工業(株)にて、無処理の内層、その両外側に燃え止まり層となる中間層と外層、更にその両外側に表層となる無処理の最外層を配置する7層構造のクロスラミナパネルとした。2枚のクロスラミナパネルを用いて(株)東亜理科にて加熱試験用スギ耐火壁試験体を作製し、(財)建材試験センターにて1時間の加熱試験を行った。 加熱試験中には非加熱面側での火炎の噴出や発炎は見られなかった。加熱終了後まもなく発炎燃焼が治まり、試験開始後2時間経過時に加熱面の残じんが見られなくなり、試験開始8時間経過時にクロスラミナパネルの内部温度は十分低下し、目視観察により残じん及び残煙が無かったことから、燃え止まりが確認された。以上より、1時間の耐火性能を有することが明らかになった。インサイジング方向の違いによる薬剤注入量に差は認められなかったが、炭化深さは厚さ方向にインサイジングしたラミナでわずかに深くなる傾向を示した。結果は、本年3月に札幌で開催の第62回日本木材学会で発表した。
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Research Products
(1 results)