2013 Fiscal Year Annual Research Report
貧酸素化が進行する閉鎖性内湾の環境修復:大村湾をシミュレーターとした検証実験
Project/Area Number |
22248022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中田 英昭 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (60114584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 數充 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (00047416)
梅澤 有 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (50442538)
和田 実 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (70292860)
笠井 亮秀 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (80263127)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水圏環境 / 環境保全 / 環境修復 |
Research Abstract |
25年度は、大村湾の海底に設置した散気管からの送気実験を実施するとともに、貧酸素化の進行過程や赤潮プランクトンの動態、堆積物中の微生物の酸素消費活性のモニタリングを継続し、散気に伴って誘起される上昇流の効果等に関する基礎データを収集した。また、二枚貝養殖やマナマコ等の底棲動物の生物機能を活用した環境修復の効果についても、実用化に向けて詳細な知見を得た。上記を含むこれまでの成果にもとづき、大村湾の漁業生産を支える生態系の持続性や自律性を回復させる方策について総合的にとりまとめた。なお、大村湾では24年にシャットネラ赤潮が発生したことから、実海域における散気実験に際しては、シストの分布や発芽等の状況を確認しながら、当初の計画を一部変更して慎重に対応することとした。本年度の成果の要点は以下の通りである。 (1)散気に伴う上昇流が貧酸素化を進行させる成層の発達を抑制する効果を持つことが確認された。貧酸素状態を解消するには送気量を増やす等の対応が必要である。長崎県では第3期大村湾環境保全・活性化行動計画の貧酸素水塊対策として、本研究施設の譲渡を受けて26年度から散気の実用化試験に取り組む。(2)シャットネラ赤潮の発生に散気が影響を及ぼすことは考えにくく、上昇流が珪藻類の増殖を促し渦鞭毛藻類の増殖を抑制する効果を持つことが二枚貝養殖場で確認されているが、赤潮プランクトンの動態に関しては今後もモニタリングが必要である。(3)堆積物中の微生物群集による酸素消費について、成層が発達した状態が続くと硫酸還元菌による嫌気的分解が進み、それが貧酸素水塊を拡大させる駆動力として重要であることが分かった。(4)環境修復への二枚貝養殖の活用に関連して、マガキの成育に最適な水温と溶存酸素の条件を明らかにした。また、マナマコの摂餌選択性や同化効率を実験的に検証するとともに、その増殖に向けた方策を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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