2011 Fiscal Year Annual Research Report
研究-実践の連携による家族に対する看護エンパワーメント介入の評価研究
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22249070
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (50381413)
池添 志乃 高知県立大学, 看護学部, 教授 (20347652)
坂本 章子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80553495)
濱尾 早苗 福島県立医科大学, 看護学部, 助教 (80529230)
岩瀬 信夫 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (40232673)
山口 桂子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80143254)
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (70233377)
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80405539)
畠山 卓也 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00611948)
槇本 香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00611972)
升田 茂章 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80453223)
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Keywords | エンパワーメント介入 / 家族 / 評価研究 / 研究-実践の連携 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者らが開発した『家族看護エンパワーメントガイドライン』の有効性を評価し、複数の研究機関と臨床との連携環を構築し、translational research の発展をはかることを目的とした研究である。 平成23年度は、精神看護CNS、家族支援CNS8名の協力を得て『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づき看護介入を行い、研究者と専門看護師とのITシステム利用によるコンサルテーンョン、 研究者と専門看護師による事例検討会を実施した。1事例ごとに「分析シート」に記録し、〈看護介入における意図・判断〉〈具体的な看護介入〉〈看護介入の効果(介入後の個人・家族の変化)〉の視点から分析を行い、データの蓄積を図った。とくに看護介入については、1.家族の日常生活、セルフケアの強化、2.家族への情緒的支援の提供・家族看護カウンセリング、3.家族教育、4.家族の対処行動や対処能力の強化、5.家族関係の調整・強化、コミュニケーションの活性化、6.家族の役割調整、7.親族や地域社会資源の活用、8.家族の発達課題への達成への働きかけ、9.家族の危機への働きかけ、10.家族の意思決定の支援・アドボカシー、11.家族の力の強化の視点から分析を深め新たな看護介入を抽出するようにした。また、web による遠隔通信会議を開催し、研究者と専門看護師による合同事例検討会を行った。事例検討会を重ねる中で、看護介入の検討、今後の分析調査のためのツールおよび方法の洗練化を図った。『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づく新たな看護介入を抽出することにより、実践での有効性、活用可能性を深めるガイドラインへの洗練化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は高知県立大学、愛知県立大学、福島県立医科大学が合同してweb による遠隔通信会議を行い、研究代表者らが開発した『家族看護エンパワーメントガイドライン』の実践での有効性、活用可能性について検討してきた。具体的に、専門看護師の協力を得て、『家族看護エンパワーメントガイドライン』 に基づき実施した介入と評価となる家族の反応について分析を深めてきた。しかし共同研究を行っている福島県立医科大学でのデータ収集、遠隔通信会議の合同開催が当初の予定より遅れ、また検討会のための有識者との調整が予定通り進まなかった。以上のことから、今後臨床へのガイドライン導入に向けて、有効性の高い『家族看護エンパワーメントガイドライン』に洗練化していくために、専門看護師と共同して家族看護介入の実施と評価を重ね、データを蓄積していくとともに、有識者を交えた3校での合同会議を早期より行い研究を深めていくようにしていく。 現在『家族看護エンパワーメントガイドライン』の評価指標を検討している。今後エンパワーメント尺度や家族機能尺度等既存の尺度についてさらに検討を重ね、妥当性・信頼性の高い評価指標を確定していくこととする
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Strategy for Future Research Activity |
今後は事前・事後の比較を行う準実験的研究デザインによる評価研究として『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づいた家族看護介入の実施と評価を行う。特に評価指標を確定し以下の手順で研究を進め、『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づいた介入、介入の成果評価について検討していく。 1.方法:CNSにより、同意が得られた精神的に危機的状況にある家族や退院調整中の家族に対して、『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づいて介入し、事前事後の評価を行い、介入の成果を評価する。 2.介入:『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づいてCNSが介入を行う。介入前・介入後評価は、介入前後の家族の反応からアウトカム指標を活用した測定道具を用いてデータ収集する。データ収集はCNSが『家族看護エンパワーメントガイドライン』に基づき実施した介入、家族の反応について記録する。3大学の研究者とCNSとのITシステム利用によるコンサルテーション、研究者とCNSによるFocus Group法によりさらにデータ収集を深める。 上記の方法で実施した介入の前後の家族の反応の記録及び介入者による介入プロセスと事後評価をデータとして収集し、分析を行う。臨床の看護師へのガイドライン導入に向けて、ガイドラインの有効性と課題を明らかにしながらCNSと研究者でFocus Group法を用いて評価、修正・洗練化を行う。さらに『家族看護エンパワーメントガイドライン』の臨床への活用方略、研究-臨床連携・Translational Research・コンサルテーションなどの有効性について実際に介入を行ったCNSからなるFocus Groupにより検証を行う。 さらに臨床へのガイドライン導入に向けて、3大学の研究者と専門看護師によりFocus Group法を用いてガイドラインの評価を重ね、修正・洗練化を行っていく。
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