2012 Fiscal Year Annual Research Report
シルクロード東部の文字資料と遺跡の調査-新たな歴史像と出土史料学の構築に向けて-
Project/Area Number |
22251008
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒川 正晴 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10283699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 崇敏 大阪大学, 文学研究科, 助教 (00566656)
高橋 照彦 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (10249906)
松井 太 弘前大学, 人文学部, 教授 (10333709)
荒川 慎太郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (10361734)
佐藤 貴保 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (40403026)
町田 隆吉 桜美林大学, 人文学系, 教授 (50316923)
舩田 善之 九州大学, 人文科学研究研究院, 講師 (50404041)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東洋史 / 古文書学 |
Research Abstract |
当初の計画通り、全体をトゥルファン・敦煌・ハラホトの三班に分け、それぞれ文字資料と関連遺跡について現地調査を行った。 [トゥルファン班]昨年度の作業の継続を活動の主体とした。9月4日~9日にかけて、サブリーダーの荒川(正)のもと白須浄真(広島大学文学研究科)・白玉冬(内モンゴル大学蒙古学研究院)・石川禎仁(大阪大学文学研究科・博士後期課程)がトゥルファンに赴き、吐魯番学研究院(博物館)において1975年~1989年に出土したトゥルファン文書・文物の実見調査を行った。併せて今年度は、ヤールホトの石窟銘文のほか、ピチャンとトクスンの諸遺跡を新たに調査し、オアシス城邑・石窟・墳墓の空間的な広がりとその特徴を、以南のそれと比較しながら把握した。 [敦煌班]9月10日~20日にかけて、荒川(正)が一部の調査日程に参加するかたちで、研究協力者の濱島敦俊(東洋文庫研究員)および石川・旗手瞳(大阪大学文学研究科・博士後期課程)が、敦煌を含む河西オアシスの宗教施設や文書の調査を行った。 [ハラホト班]サブリーダーの松井太のもと、舩田・荒川(慎)・佐藤を中心にハラホト遺跡より新たに出土した諸言語資料の調査を行った。研究協力者として山本明志(大阪大学・特任研究員)が、これをサポートした。 今年度は、これらの文字資料や遺跡と密接に繋がっている天山山中の草原地帯(巴音布拉克・開度河周辺)の調査を、荒川をリーダーとして研究分担者の松井と赤木崇敏のほか、研究協力者の坂尻彰宏・鈴木宏節・齊藤茂雄・西田祐子・木嶋咲子でチームを組んで、8月11日~19日にかけて行った。なお現地調査により各班で新たに収集した資料データや活動の概要については、阪大で開催された「中央アジア学フォーラム」と、年度末に作成したニューズレターにおいて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の課題としているシルクロード東部地域の出土資料および遺跡に関する調査については、班ごとに効率的に計画をこなしており、それぞれのデータ収集も順調に進んでいる。 またそれに基づく古文書学的な検討も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本科研の最終年度なので、研究成果を総括する作業の一環として、秋9月に大阪大学において国際的なワークショップを開催することにしている。テーマは、本研究計画の柱の一つとした中央アジア出土の公文書について、漢語だけでなく胡語文書も含めて総合的に取り上げ、相互の関係を統括することにしている。またワークショップの報告や討論の内容については、本計画の終了後に速やかに著書として公刊する予定である。
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Research Products
(24 results)